どんどんアウトプットして、知識・(研究)成果をシェアしまくろう~アウトプットの7つのメリット、その手段~ [研究室の学生向け]

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学生の皆さん、とりあえず今年一年、知識をインプットして活用するだけでなく、新たな研究の成果・知識については、どんどんアウトプットして、シェアするように心がけていきましょう、というお話です。

目次

  • はじめに
  • どうして知識をアウトプットするのか?
    • アウトプットを他の人が利用できる
    • インプットが整理される
    • インプットの質が上がる
    • アウトプットが名刺・エントリーシートより自分を語るものになる
    • コミュニケーションが生まれる
    • 信用が貯まる
    • 自分の成長を可視化できる
  • どのようにアウトプットするか?
  • どんな内容をアウトプットするか?
  • おわりに

はじめに

学生は、講義を受けたり、実験したり、ゼミに参加したり、本・論文を読んだりして、知識・知見を身につけます。これはインプットです。

一方、研究というのはデータ・情報・過去の知識を、新しい知識に変換する作業です (その変換のためのツールとして、実験があったり、プログラミングがあったり、統計手法がったり、シミュレーションがあるわけです)。研究の成果として、新しいことを発見して知識にしたものや、それを実現するためのプログラム、実際に作った材料、などがあるでしょう。

ここでいう知識とは、何もノーベル賞級の発見のことだけをいっているわけではありません。昨日できなかったことが今日できた、といったことも、十分な知識といえます。

研究成果を、知識を、自分の頭のなかに入れておくだけだったり、机の中のノートに書いておくだけだったり、パソコンのファイルの中に保存しておくだけだったり、研究室のゼミで発表するだけだったりして、知識をローカルな世界のものだけにしておくことは、その価値を十分に生かしているとはいえません。

知識をアウトプットして、他の人たちと共有 (シェア) することで、初めてその価値を十分に発揮できる

のです。これまで研究者のアウトプットの仕方として、学術論文・本・学会発表が常套手段でした。ただ、最近はブログ・SNS・メルマガなど、アウトプットの手段が多様化してきました。わたしも論文や学会発表だけでなく、このウェブサイトでもアウトプットしています。

学生の皆さん、とりあえず今年一年、知識をインプットして活用するだけでなく、新たな研究の成果・知識については、どんどんアウトプットして、シェアするように心がけていきましょう

どうして知識をアウトプットするのか?

知識をアウトプットすることのメリットは7つあります。

  1. アウトプットを他の人が利用できる
  2. インプットが整理される
  3. インプットの質が上がる
  4. アウトプットが名刺・エントリーシートより自分を語るものになる
  5. コミュニケーションが生まれる
  6. 信用が貯まる
  7. 自分の成長を可視化できる

順番に説明します。

1. アウトプットを他の人が利用できる

これは上に書いたとおりですね。知識を自分だけ、自分の所属する小さなコミュニティだけ、に限定しておくのはもったいないです。知識を論文やブログなどの形でアウトプットすることで、その知識を多くの人が利用できるようになります。自分の研究分野と同じ分野の人はもちろん、異なる分野の人も、想定外の使い方で利用してくれるかもしれません。

実際わたしの場合でも、いろいろな分野の方から、論文を読みました、ブログを読みました、そこに書かれている内容をこんな風に使いました、という報告をメールやSNSでいただいています。

2. インプットが整理される

アウトプットすることで、日ごろからインプットしていることが整理されます。いろいろと知識をインプットしていると、そしてインプットを利用しながら研究していると、インプットした複数の知識について、それらの間の関係性に意識しない・気づかないことがあります。一度、体系的に知識をアウトプットすることで、インプットした知識が紐付けられ、整理されるのです。さらに、体系的にアウトプットしようとしたときに、足りない部分の知識にも気づき、補うこともできます。

いろいろとインプットしたものを、自分のアタマで考えて出したアウトプットとして、整理できるわけですね。

もちろん、インプットしたものは忘れてしまうこともありますが、インプットを自分で整理したアウトプットを見返すことで、あとで素早く体系的に確認することができます。

3. インプットの質が上がる

実は、アウトプットすることで、インプットの質が上がるのです。インプットするときに、「これを論文でまとめたり、ブログにまとめたりするときには、この知識も必要になるぞ!」 と、体系的にインプットするクセができるのです。関連する知識を一緒にインプットできるようになります。

アウトプットを目指してインプットする意識が生まれることになるわけです。

4. アウトプットが名刺・エントリーシートより自分を語るものになる

たとえば就職活動のとき、学生は企業ごとにエントリーシートを書くことになると思います。A4サイズで2枚くらいでしょうか。それだけで自分がどんな人間か示すのは難しいですよね。それよりも、こんな論文を書きました、こんなブログを運営しています、twitterでこんなツイートをしています、といった方が、エントリーシートより多くの情報を相手に伝えることができます。

また、初めて会う人に、名刺を渡すよりアウトプットを見てもらうほうが、より多くの情報を伝えられますね。

もちろん、さすがにエントリーした全員の学生の論文・ブログを採用担当者が目を通すのは難しいかもしれません。ただ、これからテキストマイニングや人工知能の発展にともない、効率的に論文・ブログの内容を把握することも可能になると考えています。

日ごろのアウトプットの積み重ねが大事になると思います。

5. コミュニケーションが生まれる

論文やブログなどで知識を共有していると、それを見て反応し、連絡をくれる人が出てきます。実際、わたしのところにも、メールや twitter の DM や Facebook のメッセージが来ます。そこから、新しい仕事に繋がったりもするわけです。アウトプットからコミュニケーションが生まれます。

コミュニケーションがとれると、アウトプットの内容の間違えていることを指摘してくれるかもしれませんし、質問してくれてその質問によってさらに考察が深まるかもしれませんし、有益な情報を教えてくれるかもしれません。アウトプットを多くすることで、それによるコミュニケーションからも。インプットが増えていき、知識が増えます。コミュニケーションが発展・成長につながるのです。

6. 信用が貯まる

価値ある内容をアウトプットして公開すると、それを見た人からの「信用」がたまります。こんな有用な内容を公開してくれてありがとう、というわけですね。信用が貯まるという点では、有料の論文誌の中で公開するより、無料のブログなどのほうがよいです。

このあたりについては、以下の記事も参考にしてください。

これからも研究者は論文を論文誌に投稿するのか ~今後の研究者に求められること~
大前提 まず大前提として、これからも少なくとも10年は論文を書いて論文誌に掲載されることが、研究者として評価されたり、博士号取得の要件だっ...

7. 自分の成長を可視化できる

アウトプットの変化、つまり成長を自分の目で確認できるのもメリットの一つです。いきなり初めから素晴らしいブログを書いたり完璧な論文を書いたりできるわけではありません。最初は未完成なアウトプットでも、アウトプットの内容・やり方を改善することが大事です。慣れも必要です。

ブログや論文の形で残しておくことで、たとえば1年後、当時の自分のアウトプット見たときに、昔はこんなことを書いていたのに、今はこんなことを書けるようになった、いうことを確認できるわけですね。

アウトプットには、以上のような多くのメリットもありますが、もちろんデメリットもあります。一つは、アウトプットの形にするに時間かかる、ということです。ブログとして人に読んでもらう文章を書いたり、論文の形にしたりするにも時間が必要です。その時間があったら、実験したり、プログラミングしたり、本・論文を読んだりと、より多くのインプットができるのに・・・と思うかもしれません。ただ、知識を身につける、発見するのと同じくらい、その知識を他の人に届けるのも大事です。また、本・論文を読むのに慣れると速く読めるようになるのと同じで、アウトプットに慣れると、より短時間でアウトプットできるようになります。音声入力も活用して効率的にアウトプットするのもいいでしょう。

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何より、早く一歩目を踏み出し、アウトプットする習慣をつけることが大事です

どのようにアウトプットするか?

研究者のアウトプットの方法として、以前は基本的に論文・本や学会発表しかありませんでした。しかし今となっては、ブログ・メルマガ・SNSなど多種多様なツールがそろっています。いきなり論文を書いたり、学会発表したりするのはハードルが高いかもしれません。なので最初は、twitter でつぶやいたり、ブログとして記事を書いたりするのがよいと思います。twitter はもちろん無料ですし、ブログにもたくさんの無料のサービスがあります。「ブログ 無料」で検索してみましょう。金子研では、有料の記事も書ける note (無料で利用可能) も推奨しています。

ちなみに、わたしの場合、アウトプットの方法として論文やブログがメインですが、今年はもっと twitter も頑張りたいと思っていますし、本も書きたいと考えています。

どんな内容をアウトプットするか?

アウトプットする内容について、たとえば金子研だったら、

  • こんな論文を読んだ
  • こんな手法を勉強した
  • こんなプログラミングを書いた
  • こんな研究成果を出した

などになると思います。4年生だけでなく3年生も、たとえば事前課題を実施する過程をどんどん公開していくとよいです。こういったことを、たとえばブログなどにしてアウトプットするのもよいでしょう。

金子研では、企業との共同研究で守秘義務契約を結んでいる内容以外は、基本的には公開する内容に制限を設けません。研究のネタがパクられる、アイデアがパクられる、といった心配をする必要はありません。どんどんアウトプットしていきましょう。

おわりに

アウトプットの質が大事なのか、量が大事なのか、といった議論があります。もちろん、どちらも大事です。ただ、最初から質の高いアウトプットを量産するのも難しいといえます。なので、まずはアウトプットの亮を意識して、アウトプットを継続することが大事です。そのなかで、昨日より今日のアウトプットがよくなるように、質を向上させていきましょう。

どんどんアウトプットする一年にしましょう!

以上です。

質問やコメントなどありましたら、twitter, facebook, メールなどでご連絡いただけるとうれしいです。

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