私は普段から、相手の話を聞くときや、伝えたいことを相手に伝えるときに、コミュニケーションの相性のようなものを意識しています。相手に伝えたいことが 100 あるとして、それを伝えたときに、相手がコミュニケーションの相性がよい A さんのときには 90 くらい伝わり、コミュニケーションの相性が普通の B さんには 50 くらい伝わり、コミュニケーションの相性がよくない C さんには 10 くらいしか伝わらない、といったものです。これは相手のコミュニケーション力とは異なり、単に「相性」と考えており、私の話では 100 → 10 しか伝わらない人、他の話では 100 → 90 が伝わる、といったことはあると思います。話が伝わらないから相手のコミュニケーション力が低い、とは思っていません。単に相性です。
また、この数値は対面で会って伝える場合、電話などの音声のみで伝える場合、チャットなど文字で伝える場合とで異なります。値が大きそうな伝え方を選んで伝えるほうがよいです。
例えば 100 → 10 の場合において、伝わっていない残りの 90 については誤解を含んでいる可能性もあります。そのため話の内容や伝え方は注意する必要があります。
そして、100 → 10 しか伝わらない人、例えば学生には、言い方を変えて繰り返し伝えるようにしています。ある伝え方で 100 → 10 しか伝わらなかったとき、同じ言い方をしても 10 より多くは伝わりません。そのため最初の 100 → 10 とは別のアプローチ、別の言い方で、追加で 10 を増やすような工夫をしています。これを繰り返しおこなうことで、少しずつでも伝わるようにしています。
繰り返しになりますが、100 → 10 しか伝わらないからといって、その学生が優秀でないというわけでありませんし、100 → 90 伝わったからといって、その学生が優秀とは限りません。相性の問題なので、学生ごとに臨機応変に対応するようにしています。
研究は一人ですべてできるわけではないことからも、共同研究者同士のコミュニケーションは必要であり、非常に重要です。ただ、コミュニケーションには相性もありますので、繰り返し伝えることでうまくカバーするような工夫をしています。
もちろん対話の中で伝えるときは、相手の話をよく聴いて理解することも大事です。
ご参考になれば幸いです。
以上です。
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