相談しやすい人と相談すべき人、どちらに相談する?

日常生活のことや、仕事・研究・勉強のことや、将来のことなど、自分一人ではよくわからないことを、他の人に質問したり相談したりすることがあると思います。このとき、自分の周りの身近な人、例えば同じグループや同じ研究室の同期・先輩・後輩、上司や指導教員、両親などが、相談しやすいと思います。簡単な質問やちょっとした相談であれば、身近な人と話をすることに問題はありませんが、例えば将来のことなど重要な内容に関する相談になると、身近な人といった相談しやすい人にその相談をするのが本当によいのか、考えた方がよいでしょう。連絡を取るのが大変な人でも、相談すべき適切な人に (なんとかお願いして) 相談した方がよいこともあります。

相談する内容によって、相談しやすい人以外に適切な人がいることもあるでしょう。相談しやすい人に相談するのがよいのか、相談しにくい人でも答えをもっている可能性の高い人に相談するのがよいのかは変わります。

自分のしたい相談を誰にするかについて、下の図のように、相談のしやすさという軸 (横軸) と相談に対する適切な答えをもっている可能性という軸 (縦軸) を考えます。

 

もちろん、相談しやすく適切な答えをもっている可能性が高い、図の A の領域にいる人に相談したいとおもいますが、相談内容によっては A の領域には誰もいないことがあります。そのときには、領域 B にいる人のように、相談しやすい一方で、答えをもっていなさそうな人に相談したり、領域 C にいる人のように、答えをもっている可能性が高い一方で、相談しにくい人に相談したりする必要もあります。

この辺りの選択は、どれくらい簡単に相談の答えを検証できるかによると考えています。例えば、プログラミングのコードに関する相談事でしたら、実際にコードを書いて実行して確かめればよいだけなので、答えを検証するのは簡単です。もし答えが間違っている可能性があっても、身近な聞きやすい人に聞くほうがよいでしょう。検証して間違っていたら、すぐに挽回できます。

ただ一方で、将来の進路のことなど、検証できるまで 1 年以上かかりそうなときには、身近な人より連絡するのは大変でも、適切な答えをもっている可能性が高い人に聞くとよいでしょう。例えば、内定を二つもらってどちらに就職するか、就職したほうがよいか大学院に進学したほうがよいか、修士の後に就職したほうがよい博士過程 (博士後期課程) に進学したほうがよいか、転職したほうがよいかしないほうがよいか、などの相談は、それぞれどちらか選んだ後に、本当にその道でよかったのか検証するのに何年もかかります。

このあたりの相談は、友達や身近なコミュニティのメンバーや両親とかよりも、例えば就職先をどうするかで悩んでいるときは、各内定先でバリバリ仕事をしている人に相談したほうがよいですね。大学院か就職か、博士課程か就職かで悩んでいるときは、それぞれ実際に就職した人や、大学院に入ってからその後就職した人や、博士課程を修了してから活動している人に、話を聞くのがよいでしょう。

そうではなく、身近な相談しやすい人に相談してしまうと、相談された側は詳しくなくても、なんらかの「答え」を出そうとします。例えば転職したことのない人に転職の相談をしたときに、転職を反対されても、その「答え」は転職した経験がないなかでの答えにすぎません。仮に両親は大学院に進学したことがあっても、およそ20年近く前の話ですから、当時と現在とは状況はまったく異なり、あまり参考にならないでしょう。

日々の暮らしの中で、いろいろと相談したり質問したりすることがあると思います。その内容や答えの検証にかかる時間をふまえながら、相談すべき人を考えるとよいでしょう。

 

以上です。

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