わたしの研究室内では情報共有・コミュニケーションツールとして、メールは使わずSlackを使っています。Slackについてはこちらをご覧ください。
Slackはとても便利なのですが、一般社会の中ではメールを使う機会が多い中で、メールを書く練習にはなりません。友人同士のメールのやり取りでしたら、LINEやSlackのノリで問題ありませんが、一般的な社会におけるメールのやり取りには、注意しなければならないことがあります。
なぜ注意する必要があるかというと、メールは
- 誰が、誰にメールを出したのか分かりにくい
- 1つのメールボックスに、色々な人からのメールが届く (ように設定している人が多い)
- スパムメール (不特定多数の人たちに送られる意味のないメール) が届くことが多い
ためです。LINEやSlackの便利さが、メールにはないわけですね。
そこで今回は、メールを書いて送るときの基本的な7つの注意点をまとめておきます。
まずはメールの例です。架空の内容として、わたしが明治大学理工学部の事務の生田さんに研究費に関する資料の確認をお願いしたい、とします。
=== メール例① ここから ===
(タイトル)
研究費に関する資料のご確認のお願い
(本文)
生田様
応用化学科の金子です。
添付致しました研究費に関する資料を確認いただけないでしょうか。
11月1日までに返信をいただけますと幸いです。
よろしくお願い致します。
——————————————-
金子 弘昌
明治大学 理工学部 応用化学科 准教授
〒214-8571 神奈川県川崎市多摩区東三田1-1-1
明治大学生田キャンパス 第二校舎D館D409
(データ化学工学研究室)
Tel: (ここに自分の電話番号を書く)
E-mail: (ここに自分のメールアドレスを書く)
Website: https://datachemeng.com/
Twitter: https://twitter.com/hirokaneko226
=== メール例① ここまで ===
もう一つのメールの例です。これも架空の内容として、わたしが生田大学の中野先生に、駿河台学会の年会における講演を依頼したい、とします。
=== メール例② ここから ===
(タイトル)
駿河台学会年会の特別セッションにおける講演のお願い
(本文)
生田大学 中野先生
cc: 向丘大学 登戸先生
明治大学の金子です。
このたびは2018年3月1日に明治大学生田キャンパスで開催される駿河台学会の年会の特別セッションでのご講演を検討していただきたくメール致しました。
私は駿河台学会の幹事をしておりまして、次の年会において駿河台の歴史について、向丘大学の登戸先生と特別セッションを企画致しました。そこで、駿河台の歴史について活発に研究されている中野先生に60分のご講演をお願いできないかと考えております。いかがでしょうか。
なお、交通費および参加費は学会で負担させていただき、ささやかではございますが3万円の謝金をお支払い致します。
ご講演の可否について、12月1日までにご返信いただけますと幸いです。
よろしくお願い致します。
——————————————-
金子 弘昌
明治大学 理工学部 応用化学科 准教授
〒214-8571 神奈川県川崎市多摩区東三田1-1-1
明治大学生田キャンパス 第二校舎D館D409
(データ化学工学研究室)
Tel: (ここに自分の電話番号を書く)
E-mail: (ここに自分のメールアドレスを書く)
Website: https://datachemeng.com/
Twitter: https://twitter.com/hirokaneko226
=== メール例② ここまで ===
メールを書くときの7つの注意点
7つの注意点は以下の通りです。
- 注意点1:適切なタイトルをつける
- 注意点2:誰に送っているかを書く
- 注意点3:誰が送っているかを書く
- 注意点4:最初に相手にしてほしいことを書く
- 注意点5:本文をコンパクトに書く
- 注意点6:感情が伝わりにくいので気をつける
- 注意点7:書いたら読み返す
順番に説明します。
注意点1:適切なタイトルをつける
メールの内容をまとめたタイトルを必ず書きましょう。
スパムメールかどうかや、メールの重要性について、タイトルを参考にすることが多いです。タイトルがないとスパムメールと勘違いされてしまうので、気をつけましょう。
メールを送る相手に何をしてほしいのかがタイトルに書かれてあると、受け取る側としてはうれしいです。
注意点2: 誰に送っているかを書く
本文の最初に、誰に送るメールなのか必ず書きましょう。メールを受け取った人は、最初に自分の名前がないと、読み飛ばしてしまう可能性もあります。スパムメールの本文には、送り先の名前のないものが多いためです。
メール例②の2行目にある「cc」は、ccの後の人に、「返信する必要はありませんが、関係者として内容の確認をしておいてください」といったことを伝える意味になります。メールを作るときに、宛先の下にccの欄がありますので、そこに対象の方のメールアドレスを書きます。
ちなみに、ccは、carbon copyの略です。メールがなかった時代に、ボールペンで書くと下の紙にも同じものがうつる紙に手紙を書いて、下のコピーを関係者に渡していたことに由来するそうです。
注意点3:誰が送っているかを書く
誰に送ったメールなのか書いた後に、自分の名前を書きましょう。受け取る側として、誰からのメールか最初にわかるとうれしいです。
名前の前に、所属を適切に書きましょう。「金子です。」だけだと、受け取った人の知り合いに複数の金子がいたときに、別の金子と誤解する可能性があるためです。
どのように所属を書くかは、送る相手の所属によって変えるとよいです。
メール例①では、同じ明治大学の方に送るので、「応用化学科の金子です。」になります。同じ大学なので応用化学科があることはもちろん分かります。そして、理工学部の、よりも、応用化学科の、の方がコミュニティが小さくなるので金子を特定するのが早いです。
メール例②では、別の大学の方に送るので、「明治大学の金子です。」となります。応用化学科の、って言われても、受け取る側は「自分の大学の応用化学科かな?」と考える可能性があります。
ちなみに、まだ自己紹介したことのない方にメールを送るときは、「明治大学理工学部応用化学科で准教授をしている金子と申します。」とします。
メールの最後に”名刺”をつけると確実です。
注意点4:最初に相手にしてほしいことを書く
相手の名前・自分の名前を書いた後すぐ、相手に何をしてほしいか、簡潔にまとめて書きましょう。その後、必要に応じて詳しい状況について説明します。
注意点5:本文をコンパクトに書く
だらだらと長文が書かれたメールより、内容がコンパクトにまとまったメールの方が好まれます。
注意点6:感情が伝わりにくいので気をつける
LINEと違い、メールではスタンプや絵文字は使わないのが一般的です。基本的にメールでは文字だけなので、スタンプや絵文字で表現をやわらかくすることができません。たとえば、質問しているだけなのに、キツイ書き方にすると、「怒っているのかな?」と勘違いされることもあります。怒っていることを伝えたいときは別ですが、そうでなければ、(皮肉にならない程度に) 丁寧な言葉遣いで、誤解を招かない書き方でメールを作るとよいです。
注意点7:書いたら読み返す
これはメールに限ったことではないと思いますが、宛先・タイトル・本文を作り終えたら、おかしなところが読み返しましょう。問題なし!となってから、送信するわけです。
以上です。メールは少なくなる傾向にありますが、参考になれば幸いです。
質問やコメントなどありましたら、twitter, facebook, メールなどでご連絡いただけるとうれしいです。