“モデル”について考える

 

“モデル” と聞くとあなたは何を思い浮かべるでしょうか。化学工学でも大事なモデルについて講義で学生と考える機会がありましたのでそのあたりをまとめます。学生たちに “モデル” について聞いてみると、ファッションモデルの具体的な人からプラモデル、そして理想的なものといった概念まで、いろいろと興味深い回答がありました。

世の中にはいろいろな “モデル” があります。その一例をあげると、

  • プラモデル
  • ファッションモデル
  • ロールモデル
  • ビジネスモデル
  • 原子(分子)モデル
  • プロセスモデル
  • 数理モデル
  • 統計モデル

となります。それぞれが具体的な “モデル” です (ここでは、佐々木希さん・ボーアの原子模型のようにそれぞれのモデルの具体例をあげるのは避けます)。

それらに共通する概念を考えます。それは

抽象化 (≒単純化) したもの

であると考えています。つまり、モデルとは何かを抽象化したもの、というわけです。

ちなみに抽象化とは、Wikipediaより、

抽象化(ちゅうしょうか、英: Abstraction、独: Abstraktion)とは、思考における手法のひとつで、対象から注目すべき要素を重点的に抜き出して他は無視する方法である。

とあります。ものごとを単純にするだけの単純化とは意味合いが少し異なりますね。

たとえばプラモデルでは、実際の車やアニメの中の実際のガンダムを抽象化して、ミニ四駆やガンプラにしています。ビジネスモデルでも、いろいろな企業で実際に行われている戦略を抽象化したものとして語られます。

プロセスモデルでは、たとえばいろいろな種類の多段蒸留塔が考えられ、また実際に稼働していますが、それらを抽象化して数式で表したものが多段蒸留塔のプロセスモデルです。数理モデルについても、拡散や対流など実際の現象を数式で表したものですね。

統計モデルは、たくさんのサンプルを抽象化してある数式で表現したもの、といえます。

このように、モデルは何かを抽象化したもの、と考えています。

いやいやファッションモデルは、理想化したもの (人) だろう、という方もいらっしゃると思います。わたしは、このようにファッションモデルが認知されているのは、ファッションデザイナーが、一般の人が理想とする体型の人が着る服を作ったから、と考えています。もともと、ファッションデザイナーが服を作るときに、頭のなかにその服を着せる抽象的な人がいるはずなのです。

モデルについて、具体例をあげて それらに共通する概念を抽出することで、モデルとは何なのか考えてみました。結論としては、モデルは何かを抽象化したものです。他にも、何かを抽象化したものがあれば、ぜひ”モデル”という言葉を使ってみましょう。

以上です。

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