研究室の学生によく、移動は多変量で考えた方がいいよね、という話をします。
例えば、小田急線で生田駅から新宿駅に行くとき、生田駅で各停に乗って登戸駅で一度降りて、快速急行に乗り換えてから新宿駅にいくのが一番早いです。ただ急行は結構混むので、基本的に座れないだけでなく立っている人も多く、何か作業したり仕事したりするには不向きです。私はそれよりも、生田駅から新宿駅までずっと (座れる) 各停で乗り続け、座ってノートパソコンで執筆作業などの仕事をしています。移動時間だけでなく、移動時間中の有意義さで考えると、快速急行に乗り換えるより各停のままのほうを選択します。
また、生田駅から明治大学生田キャンパスまで歩いて行くとき、近いのは改札を出て右に曲がるルートですが、特に講義の前の時間帯は、学生の数が非常に多く、とても歩きにくいです。考えごとをしながら歩くには不向きです。それよりも、少し迂回するため時間はかかりますが、改札を左に行った方が静かに自分の速度で歩くことができ、考えごともできます。移動時間だけでなく、移動時間中の有意義さで考えると、人の多い最短ルートより、静かな迂回ルートを選択します。
このように、移動手段やルートを考えるとき、移動にかかるお金が同じであれば、基本的には移動距離や目的地までの移動時間を考えると思います。ただ、移動時間も 24 時間の中の一部の 「時間」 です。移動時間といって無視することなく、有意義に使えたほうがよいでしょう。「移動時間」だけでなく、「移動時間」と「移動時間中の有意義さ」といった多変量 (複数の特徴量) で、移動手段やルートを考えるとよいと思います。
他の特徴量としては、「移動にかかるお金」や「移動の困難さ」でしょうか。「移動にかかるお金」として、新幹線よりも夜行バスの方が安いので、時間はかかりますが夜行バスで行こうとか、バスだと時間的に間に合わないので、少しお金がかかってもタクシーを使おうとか考えると思います。「移動の困難さ」として、勾配が急な坂道を避けるルートを選択することもあると思います。
私の場合は、以下の4つの特徴量を考慮して、パレート最適解の中から移動手段やルートを決めます。
- 移動時間
- 移動時間中の有意義さ
- 移動にかかるお金
- 移動の困難さ
人によっては、他の重要な特徴量があるかもしれません。移動手段やルートを選択するときは、ぜひ移動時間中の有意義さを含む多変量で考えてみるとよいでしょう。
以上です。
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