学生が研究室に配属されたあと、どのように研究をはじめて、最初はどのように研究を進めるか、についてです。
学部生
多くの大学では、学部三年生もしくは四年生で研究室配属になると思います。これらの学生のほとんどは、研究室の先生から研究テーマが与えられるのではないでしょうか。これが研究の始まりです。
その研究テーマを、学生が自分の方針で進める人もいれば、最初は先生の方針で進める人もいます。学生自身の方針で進めるときは、次の “大学院生” をご覧ください。
大学院生
修士・博士の学生は、自分で研究を始められるようになる、つまり、自分で研究テーマを決められるようになることが望ましいです。
研究のはじめ方
では、どのように研究テーマを決めるのでしょうか。
最初は、自分の興味関心のある分野・対象をしぼる、ことです。化学とか、環境とか、ざっくりした分野ではなく、この環境負荷物質、のような感じです。場合によっては、興味関心のある問題点を設定、してもよいです。いずれにせよ自分が、研究したい!、と思える内容をテーマにするのが一番です。
興味のある分野について、本・論文・記事などを読んで、対象をしぼったり、問題点を見つけたりしましょう。
研究の最初の進め方 (通常)
対象をしぼったあと、通常は、これまでその対象のまわりでどんな研究が行われていたか、どこまで問題が解決されたか、どんな研究成果が挙げられてきたか、調べることから始めます。本・論文・記事などで調べましょう。
そして、調べた結果、まだ手をつけられていない内容・まだ解決されていない問題点から具体的な研究目的を決め、研究方針を考えます。
ただ、この過去の研究の調査は、研究をする中で一番 時間もかかり大変な仕事です。研究論文は、英語でかかれているものがほとんどですので、特に英語が苦手な学生は、来る日も来る日も苦手な英語での調べものばかりだと飽きてしまうかもしれません。いくら自分の好きな分野といえ、つらい作業が続くと、研究のモチベーションが下がる可能性があるわけです。
そこで、、、
研究の最初の進め方 (変則)
最初の研究の進め方の代替案として、とりあえずやってみる、というのもあります。実験をしてみたり、シミュレーションをしてみたり、自分のやりたい “研究” をやってしまうわけです。
ここで、何かしら実験結果やシミュレーション結果を出せて、小さくても成功体験を経験できれば最高です!研究やってる感、が得られるわけです。そこから、研究をさらにふくらませる中で、同時進行で過去の研究の調査も行うと、過去の研究調査が苦手でも、研究のモチベーションが下がりにくいと思います。
もちろん、あとで論文を調べてみて、自分と似た研究をしている人が見つかるかもしれません。ただ、100%全く同じ研究をしているってことはほとんどありませんし、似ているならその比較をしたり、さらにそこから発展させる研究を考えたり、やりようはいくらでもあります。
研究の最初の進め方として、過去の研究の調査を十分に行ってから、自分の研究をスタートさせるのが一般的ですが、研究のモチベーションを維持して、小さな成功体験をつみながら研究を進めるため、”とりあえずやってみる” というのも、選択肢の1つとして入れてもよいと思います。
以上です。
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