個性的な人工知能をつくる

データ化学工学研究室では、ざっくりというと、化学データや工学データをつかって機械学習するような研究、言い方を変えると、人工知能をつくるような研究をしています。近年、機械学習のライブラリやパッケージが充実していることもあり、データをもっているときにとりあえず人工知能をつくることは、普通のの人々にも簡単になってきています。もちろん、性能の高い人工知能をつくるには、ノウハウがいるのですが、それも遅かれ早かれライブラリ化・パッケージ化されるものと思います。

人工知能が一般的な人々の手に届く時代が来つつあるということです。

その次は、個性的な人工知能の時代になると考えています。フォードによって車が一般的な家庭に浸透してから個性的な車が出てきたように、Windowsによってパソコンが一般的な人々の持ち物になってから個性的なパソコンが出てきたように、です。

というわけで、個性的な人工知能について考えてみました。ここでは人工知能を、何か “インプット” をいれると “アウトプット (答え)” を返してくれるもの、とします。

アウトプットの信頼性も一緒に返してくれる

人工知能はブラックボックスですので、とりあえずインプットをいれると、何かしらのアウトプットを返してくれます。ただし、人工知能とってもデータをつかって学習していますので、得意なインプットと苦手なインプットがあるわけです。その得意・苦手も見極めて、アウトプットだけでなく、そのアウトプットをどれだけ信頼できるかも返してくれると、人工知能を利用する人も参考になります。

どんなデータがあれば、信頼性が上がるか教えてくれる

アウトプットの信頼性も一緒に返してくれたときに、そのアウトプットが大事なので、信頼性を上げたいこともあると思います。そんなとき、どんなデータでもう一度人工知能を学習させれば、より信頼性が上がるのか、教えてくれると便利です。

複数のアウトプットを返すときに、補足情報によって順位づけしてくれる

これは逆解析に関係します。一般的な入力をx、一般的な出力をyとして、人工知能をy=f(x)とすると、xをインプットしてyをアウトプットするのが順解析で、yをインプットしてxをアウトプットするのが逆解析です。たとえば、化学構造からその物性を推定するのが順解析で、物性からその物性をもつ化学構造を推定するのが逆解析です。一般的にyは1つでxは複数あるので、yをインプットするとxの答えは複数出てきます。

このとき、では複数のアウトプットからどれを選べばよいのか?、ということになりますので、補足情報をつけて順位付けしてくれると嬉しいわけです。ある物性をもつ化学構造がいくつも出てきたときに、合成が簡単な順に並べてくれるイメージです。

どうしてそのアウトプットになったか教えてくれる

先ほど述べましたが、人工知能はブラックボックスです。インプットを人工知能にいれると、何かわからないけどアウトプットが出てくるわけです。それでは気持ち悪いので、インプットがこういうものだったから、このアウトプットになったよ、という情報も一緒にあると、人工知能も使いやすくなります。

以上です。

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