いろいろな学生の受け皿になる

タイトルの “いろいろ” とは、(広い意味での) 研究に割く時間という意味でのいろいろです。

いろいろな学生がいます。研究一本にオールインして頑張るぜ!といった学生から、バイトも、課外活動も、趣味も、恋愛も、その一つとして研究も、といったバランスをとる学生まで。もちろん、両極端のどちらかにいるわけではなく、そのグラデーションの中のどこかにいるのが現状です。

そんな、いろいろな学生のそれぞれが成長できる研究室でありたいと考えています。具体的には、こちらの力を伸ばすことです。

研究スキル・研究能力を構成する15の力
データ化学工学研究室 (金子研) では学生の成長を最優先に考えていることはこちらに書いたとおりです。 学生が成長して、研究スキル (能力・技能) が高まります。ただ、研究スキル、研究する能力といっても一つではありません。 ここでは、研究力を...

 

学生が研究に割く時間もいろいろですし、もちろん学生の特性も異なりますので、まあ15の力は学生それぞれバラバラです。

たとえば、毎週 学生に研究の進捗発表をしてもらいますが、進捗状況や発表内容はバラバラです。どんどん研究を進めている学生もいれば、そこまではない学生もいます。論理的でわかりやすいスライド・発表内容の学生もいれば、そこまでではない学生もいます。研究に割く時間が異なりますので、当然です。

そんなとき、進捗状況・発表内容において、絶対値は気にしません。気にするのは伸びしろです。現状からどうすれば学生が力を伸ばせるかについて考えています。研究が進んでいない人はどうすれば少しでも先に進めることができるか、進んでいる人はどうすればさらに先に進められるか、発表がわかりにくい人にはどうすればわかりやすくなるか、わかりやすい人にはどうすれば伝えられる内容がさらに増えるか、についてアドバイスするようにしています。同じ時間をかけるなら、効率的に成長してもらいたいですからね。もちろん学生の得意不得意も考えます。

他の力を含めて15の力についてどれもそんな感じです。現状の絶対値ではなく、そこからの学生の成長を考えています。ちなみに学生の変化が研究室に与える影響はこちらに書いたとおりです。

研究活動の微分と積分~学生の成長を最優先に考える~
大学教員として研究室を運営する上で第一に考えているのは、 学生の成長 です。こういう話をすると、研究のことはいいの? となるのですが、研究成果のことを考えた場合でも、学生の成長なのです。 研究室ではもちろん研究活動が行われています。金子研究...

 

あと、成長につながる機会も学生ごとに同じように与えたいと考えています。たとえば学会発表の機会です。学会発表はいろいろな力を伸ばすとてもよい機会です。学生ごとに研究の進捗は異なりますが、皆さん発表する機会は準備しています。このあたりは腕の見せ所です。

研究に時間をかける学生ほど、研究成果は出てきますので、もちろんそれを発表する機会も多くなります。どんどん先に進んでもらえたらと思います。ただそうでない学生に対しても、学生が成長するためのベースとなる機会としては、研究成果にかかわらず準備しています。このようにして、いろいろな学生の受け皿になれるよう努めています。

 

以上です。

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