学生のころから学会において研究発表をする人もいらっしゃると思います。今回は、学会発表での話の流れについてまとめました。人や場面によって多少変わることもありますが、一般的な流れはこちらです。
- 自己紹介
- 発表の概要
- 背景
- 問題点
- 目的
- 方針
- 手法
- 結果と考察
- まとめ
- 今後の展望
- 質疑応答
順に説明します。
1. 自己紹介
司会の方が紹介してくれることが多いですが、簡単に自己紹介をします。所属と名前を言いましょう。
2. 発表の概要
最初に、今回の研究発表でどんな内容を話すか、概要を簡単に述べます。こんな内容を、こんな流れで発表します、といった感じです。個人的には、30分以上の長い講演でない限りは、講演タイトルに毛が生えたくらいを話すのでもよいかな、と思います。
3. 背景
研究をしている背景を話します。発表を聴く人と自分の研究とを結びつける、という意味でとても大事です。
- 社会・生活とどのような接点があるのか
- どのような研究分野・研究領域の話なのか
- どんなところに着目しているのか
- 過去にどのような研究が行われ、どんな研究成果があるのか
といったことを話し、次の問題点につなげます。
個人的には、一番難しいところだと思います。
4. 問題点
研究で対象にしている問題点について話します。
5. 目的
研究の目的です。多くの場合は、前の問題点を解決することに対応します。できれば、解決してどんなことを目指すかも話しましょう。
6. 方針
目的を達成するための研究の進め方、つまり方針について話します。聴いている人に次の手法を理解していただくための重要なパートです。分かりやすく話しましょう。
7. 手法
目的を達成するために、どのような方法を提案したか、前の方針をふまえて話します。理論的な話もあれば、実験的な話もあると思います。この手法の部分が一番膨らませて話したくなるところですが、聴く人が研究成果を理解すること、を第一目的において、簡潔に話すようにしましょう。詳しくはこちらの文献をご覧ください、というように説明を簡略化する対応もありです。
8. 結果と考察
上で提案した手法の有効性を確認するため、つまり対象とした問題点を解決できるかどうかを確認するため、シミュレーションをしたり実験をしたりした結果を話します。もちろん、その結果を踏まえて考察した内容も話します。
9. まとめ
最後に発表した内容をまとめます。特に重要なポイントを繰り返すのがよいです。
10. 今後の展望
今回の発表の研究において目的を達成できた場合もあれば、完全にはできなかった場合もあると思いますが、その研究成果を受けて、今後の研究をどのように発展させていくか、そしてどのように研究成果を応用させていくか、といった話をします。
11. 質疑応答
だいたいの研究発表では、最後に質疑応答の時間があります。聴いている人から質問してもらい、それに答えるわけです。ここで大事なことは、質問の内容を理解することです。一度聴いただけでは理解できなかったり、理解したかあやふやだったりするときは、遠慮せずに、質問者に確認を取りましょう。その質問はこんな意味ですか、質問のこの部分を理解できなかったのでもう一度おっしゃっていただけませんか、といった感じです。
質問を理解できた、と判断してから回答しましょう。回答するときは、もちろん完璧に回答できることに越したことはありませんが、分からないことは正直に分からないと言うことも大事です。回答が長くなりそうなときは、とりあえず簡潔に回答しておき、詳しくは休憩時間の時に話しましょう、というのもありです。
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発表の流れは以上です。ただ、これらの内容は一例ですので、順番を変えたり、内容を追加したりすることもあります。実際わたしは、聴いている人たちが特定の分野にかたよっているとき、まとめを聴くだけでもある程度理解してもらえると判断した場合は、最初にまとめを言ってから発表を進めることもあります。最初と最後にまとめを入れることで、研究成果をより印象づけるためです。
今回は学会発表における発表の流れをまとめました。これがたとえば研究室のゼミでの発表であれば、手法や結果と考察の部分をより詳しく発表したり、今後の展望をより詳しくした今後の研究計画にしたりするとよいです。
以上です。
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