ベイズ最適化と遺伝的アルゴリズムは組み合わせよう!

分子設計・材料設計・プロセス設計・プロセス管理において、分子記述子・実験条件・合成条件・製造条件・評価条件・プロセス条件・プロセス変数などの特徴量 x と分子・材料の物性・活性・特性や製品の品質などの目的変数 y との間で数理モデル y = f(x) を構築し、構築したモデルに x の値を入力して y の値を予測したり、y が目標値となる x の値を設計したりします。

講演会やセミナーをしていると、よくある質問の1つに、ベイズ最適化と遺伝的アルゴリズムはどのように使い分ければ良いですか、という質問があります。

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遺伝的アルゴリズムも最適化アルゴリズムの一つであるため、ベイズ最適化と並んで、何か最適化したい対象があるとき、比較されることになります。いくつかのパラメータがあり、それぞれ複数の候補がある場合において、すべての組み合わせを検討するには時間がかかるときに、少ない数の組み合わせの検討だけで、全組み合わせを検討したかのようなベストな解を得ることが、ベイズ最適化も遺伝的アルゴリズムも目的になります。

ベイズ最適化と遺伝的アルゴリズムの違いについては以下をご参照ください。

ベイズ最適化と遺伝的アルゴリズム(などの組合せ最適化アルゴリズム)の本質的な違いとは?
分子設計や材料設計やプロセス設計において、分子や合成条件や実験条件やプロセス条件などの説明変数 x と物性や活性などの目的変数 y との間でガウス過程回帰 (Gaussian Process Regression, GPR) モデルを構築し...

 

ベイズ最適化と遺伝的アルゴリズムの使い分けとしては、基本的に遺伝的アルゴリズムはシミュレーションと組み合わせて使用し、特にシミュレーション一回の計算時間があまりかからないときに用います。ベイズ最適化は、一回の実験やシミュレーションに時間がかかり、逆にあまり回数を増やせない実験やシミュレーション、例えば数十回、どんなに頑張っても数百回しかできないような場合に実施します。

ベイズ最適化か、遺伝的アルゴリズムか、といった議論がある一方で、むしろ遺伝的アルゴリズムにおける 「一回の計算時間があまりかからない」 シミュレーションを、ベイズ最適化を用いたモデルの逆解析として組み合わせることも重要です。逆解析に遺伝的アルゴリズムを用いることで、x の候補を大量に生成して予測するよりも効率的に、ベイズ最適化の獲得関数が大きくなるような x の解を探索できます。

このようにベイズ最適化と、遺伝的アルゴリズムのような最適化アルゴリズムは、組み合わせることで それぞれの長所を活かして分子設計・材料設計・プロセス設計を効率化できます。

該当する方はぜひご検討されるとよいかと思います。

 

以上です。

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