2017年6月8日から10日までベトナムのホーチミン・シティで開催されたISPAC2017において、招待講演をさせていただいてきました。招待していただいた北海道大学の高橋先生・広島大学の石元先生に感謝です。
基本的に4つの部屋でいくつかのセッションが並行して進行していました。セッションはこちらです。
- Organic Chemistry
- Organometallic Chemistry
- Physical Chemistry
- Fluorine Chemistry
- Material Science and Technology
- Physical Organic Chemistry
- Chemistry Education, Careers & Codes of Ethics
- Environmental Chemistry and Air Conditioning
- Inorganic Chemistry and Coordination Chemistry
- Analytical Chemistry
- Polymer Chemistry
- Bioorganic Chemistry
わたしは Analytical Chemistry で講演しました。そのときの質疑応答を以下にまとめます。実際は英語でのやりとりでした。
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質問1:モデルの適用範囲を設定するという方針もあるが、エラー解析をするという方針もある。このあたりをどのように考えているか?
回答1:モデルの適用範囲とエラー解析とは密接に関係していると考えています。モデルの適用範囲の広さとエラーとの関係を定量的にモデル化できれば、新たなサンプルのエラーを推定することもできます。
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質問2:すべての構造において、物性・活性を推定した結果は安定しているのか?
回答2:はい、安定しています。基本的にすべての構造において、構造記述子の値を一意に決めることができるためです。
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質問3:仮想的な化学構造をどのように生成するのか?たとえば生成した結果、それを合成できない、ということも起こりうると思う。
回答3:仮想的な化学構造を生成する方法はいくつもあります。たとえば、既存の化合物の構造を物性・活性を考える上で意味のある部分構造もしくは原子団に分解し、それらの部分構想を部品としていろいろな組み合わせで組み立てることで新たな化学構造を生成します。部分構造への分解のしかたや、化学構造への組み立て方に、化学反応を考慮することで、生成された化学構造の合成可能性もある程度考えることができます。
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他の講演には、新たな有機合成反応の話、化学反応の遷移状態などの量子化学計算の話、いろいろな材料へ応用する話など、化学の基礎的な内容から応用的な内容までいろいろな話がありました。
以上です。