創造力も大事ですが、ここでは想像力のほうです。研究スキル・研究能力を構成する力は、こちらに書いたとおり色々ありますが
研究に限らず汎用に使える、基本的な力として押さえておきたいのは想像力です。たとえばプレゼンテーションをしたり質問に回答したりするときにも想像力は大切です。
研究における 15 の力のさらに基礎的な力としても、想像力があるかと思います。研究の背景を考えるときも想像力が必要ですし、研究の目的や方針を考えるときも想像しながら検討することが大事です。もちろん論理的に考えることになりますが、「何を考える必要があるか?」 といったところは想像力が必要です。たとえば、開発した手法が他のどのような分野に活用されうるか、他のどんな手法と組み合わせることができるか、といったことです。
研究の内容を相手に伝えるときも、相手のことを想像して伝え方を考える必要があります。相手に質問するとき、コメントするとき、アドバイスをするときも相手のことを想像してお話をすることが大事です。もちろん、相手の研究分野や興味のある領域、これまでの話の内容などの情報から、相手が求めていることを考えますが、すべての情報を把握できるわけではありません。想像力で補う必要があります。
誰かと一緒に共同研究をしたり、一緒に論文を書いたりするときのやりとりでも、相手の状況を想像して進めることが重要です。相手が色々な業務で手一杯のときもあるかもしれませんし、相手が論文を書きやすい、確認しやすいやり方で進めたほうが効率的です。このあたりも想像する必要があります。
想像力を鍛えるには、経験することや場数をふむことが大切と思います。想像するための情報をもつために、色々な本 (小説や漫画も含む) を読んだり、実際に色々と体験・経験したりすることが重要です。そして実際に想像して何かしたあとに、想像した内容とその結果が合っているか検証できれば、効果的なトレーニングになります。
想像力を鍛えることは、研究以外でも普段の生活からできますし、そこで身につけた想像力を研究に活用することもできます。ぜひ参考にしてもらえたらと思います。
以上です。
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