分子設計・材料設計・プロセス設計・プロセス管理において、分子記述子・実験条件・合成条件・製造条件・評価条件・プロセス条件・プロセス変数などの特徴量 x と分子・材料の物性・活性・特性や製品の品質などの目的変数 y との間で数理モデル y = f(x) を構築し、構築したモデルに x の値を入力して y の値を予測したり、y が目標値となる x の値を設計したりします。
クラス分類モデルにおいて、x の値をモデルに入力した時の基本的な出力結果は、どのクラスに属するか、です。0/1のクラス分類においては、0 もしくは 1 が出力されます。一方で、例えばクラス 0 と予測された時に、その結果の確からしさとして、明らかにクラス 0 なのか、それともクラス 1 に近いのかを検討したいこともあります。その時は、クラス分類の結果を各クラスの確率で計算すると良いでしょう。
例えば、scikit-learn の predict_proba 関数を使用すれば、予測結果が確率で出力されます。この関数は大抵のクラス分類手法に備わっており、カテゴリが3つ以上の多クラス分類においても、各クラスの確率として出力できます。もちろん、確率なので全て足し合わせると1になります。この確率を使えば、クラス0と予測された時にクラス0の確率が1付近であれば、クラス0として確からしいと言えますし、0.5付近であればクラス1の可能性もあると考えられます。
一つ注意点として、この各クラスの確率は、内挿もしくはモデルの適用範囲内でしか有効ではなく、外挿もしくはモデルの適用範囲外には対応していません。x がモデルの適用範囲外の値を入力した時、0/1のクラス分類であれば、0 の確率は 0.5 になってほしいところですが、実際は 0 の確率が 1 もしくは 0 (1の確率が1) となります。これらの結果は信用できないため、注意が必要です。そのため、各クラスの確率を計算できるからと言っても、モデルの適用範囲は別途定める必要があります。
各クラスの確率も有効に活用することで、クラス分類の詳細な結果を検討すると良いでしょう。
以上です。
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