大学の研究室における研究と教育

データ化学工学研究室(金子研)では、研究のためのトレーニングが一段落すると、徐々に学生ひとりひとりが研究にシフトしていきます。ただし、大学の研究室ですので、研究だけでなく教育も重要です。そのため、研究を通した教育・教育を通した研究、ということになります。

では、どのような流れで研究と教育とが進んでいくか見ていきましょう。下図が学生のスタートです。

たとえば、研究成果1を目指すような研究テーマで、研究を始めたとしましょう。

ある程度の期間 (たとえば1週間、場合によってはもっと短いときも) がたったときに、研究の進捗について教員と学生(たち)とが一緒になり、ディスカッションが行われます。

このディスカッションの中で教育が行われます。学生が分からなかったところ・疑問に考えるところ・進め方について悩んでいるところを話し合ったりします。また、その結論を導くためにはこの検証をする必要があるんじゃないかとか、この方法も比較対象に入れたほうがよさそうとか、他にも選択肢があるんじゃないかとか、それをやりたいならこんな方法もあるよ とか、あーだこーだ議論したりします。それをふまえて、学生はまた研究を続けます。

たいていは、研究成果1に近づくため少し軌道修正して研究します。

そして、また少ししたらディスカッションを行います。

このような、研究とディスカッションを通じた教育とを繰り返しながら、研究成果を目指すわけです。

そのときの状況に応じて、場合によっては目指すのが研究成果1から研究成果2もしくは3に変わることもあります。学生の興味関心が変わったり、研究分野の状況が変化して研究成果2もしくは3のようはインパクトが大きくなった場合ですね。このあたりは、研究室で研究だけでなく教育も重視していることにも由来します。もちろん、目指す研究成果が変わったとしても、その地点から方向を変えて研究を進めればよいため、それまでの研究の経緯は無駄になりません。

以上のような、研究とディスカッションとを繰り返しながら研究成果を達成するということについて、もちろん学生の力で研究成果をあげる、という意味でも貴重な経験です。ただそれ以上に、スタートから研究成果までのプロセス(過程)を経験する、ということがとても大事であり、研究を通した教育の価値・意義であると考えています。これは、こちらの研究室の5つの意義・価値の5番目に書いたとおりです。

以上です。

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