どうしてもケモインフォマティクス・マテリアルズインフォマティクス・プロセスインフォマティクスを分類したいなら目的で分類すると良いです!

私の研究室では、ケモインフォマティクス、マテリアルズインフォマティクス、プロセスインフォマティクスに関する研究を行っており、学生によってどのインフォマティクスに近いかは異なりますが、特にどの学生がどのインフォマティクスなのかを明確に区別したり分類したりしているわけではありません。どの学生も、化学・化学工学のデータを用いたインフォマティクスに関する研究を行っている、といった感じです。

一方で世間一般では、ケモインフォマティクス、マテリアルズインフォマティクス、プロセスインフォマティクスを分類するケースもあります。どうしても分類したいのであれば、目的ごとに分類すると整理しやすいと思います。

ケモインフォマティクスとマテリアルズインフォマティクスは、望ましい分子構造を求めることを目的としており、プロセスインフォマティクスでは望ましい分子・材料の作り方を求めることを目的としています。ケモインフォマティクスとマテリアルズインフォマティクスの違いとしては、ケモインフォマティクスでは分子やイオンの分子構造を求めることを目的としており、マテリアルズインフォマティクスでは固体の分子構造 (結晶構造やアモルファス構造) を求めることを目的としています。目的に由来して、ケモインフォマティクスでは低分子の有機化合物や高分子のモノマー構造、マテリアルズインフォマティクスでは高分子や無機化合物が扱われることが多いです。

もちろん、ケモインフォマティクスにおいて分子やイオンの整理・検索・分類・記述子化や化学反応の扱い、量子化学計算を行うこともありますが、それらは手段の一つであり、目的としては分子やイオンの構造を求めることになります。マテリアルズインフォマティクスでも、元素の組成を求めることもありますし、元素の特徴量を扱うこともありますし、DFT計算をすることもありますが、これらも手段の一つであり、目的としては固体の構造を求めることです。

プロセスインフォマティクスでは、分子や材料の作り方として、プロセス条件や作製条件を最適化することもあります。ソフトセンサーも、装置やプラントにおいて所望の分子や材料を製造するために、どのような制御をすれば良いか求めることを目的として、製品品質などのパラメータを推定・予測しています。

以上のように、それぞれの目的として、

l  ケモインフォマティクスは所望の分子やイオンの分子構造を求める

l  マテリアルズインフォマティクスは所望の固体の分子構造を求める

l  プロセスインフォマティクスは所望の分子・材料の作り方を求める

と整理すると、それぞれの分野を理解しやすいかと思います。

 

以上です。

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