論文や学会発表のための要旨などの原稿を作成する際のお話です。自分なりに原稿を完成させた後のチェックリストはこちらの通りです。

完成させるまでには、文章を一文一文、丁寧に紡いでいきます。データや解析結果を正確に伝えたり、科学的に妥当な議論をしたりするのはもちろんのこと、読者が読みやすい文章を作成する必要があります。その際に意識した方が良いのは、「読者が前の文章から次に来る文章をある程度予測できるかどうか」です。
もちろん、内容が全て 100% 予測できてしまっているなら、その文章はそもそも書く意味がないとも言えますが、「次に来るのはこの方向性の話題の文章だろうな」と読者が予想できたとき、文章は読みやすく感じられます。前文と全く関係のない文章がいきなり出てきたら、読者の頭には「なぜ?」とクエスチョンマークが出ます。それが増えていくと、読むのをやめてしまうかもしれません。
たとえば、他の論文や web 上のコンテンツを集めて切り貼りしたような文章を作成してしまうと、それを読んでいくうちに、「なぜいきなりこの文章が出てきたのか?」「これは接続詞で無理やりつなげているだけでは?」と、読む人は考えるでしょう。全く良くありません。
やはり最初は大変かもしれませんが、一文一文を適当に書かず、「前文から次の文章の内容をある程度予測できるかどうか」を確認しながら執筆するようにしましょう。そして、一文一文について「なぜこの文章を書いたのか」を自分で説明できるようになると、読みやすい文章になるかと思います。
文章を書き慣れていなかったり、執筆の間が空いてしまったりすると、なかなか筆が進みにくくなることもあるかと思いますが、論文作成や学会発表のための要旨などの作成も、上記の点に注意しながら、ぜひ頑張ってください。
以上です。
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