質問への回答のしかた~本当に相手の質問を理解しているか?~

学会発表での質問のしかたについては、こちらに書いたとおりです。

質問のしかた~わからないことを聞いたり、自分の考えを持って議論したり~
学会とか研究会とかにいくと、発表や講演のあとに質疑応答の時間があります。そこで、参加者は発表者・講演者に質問することができるのです。質問によっては、新しい気付き・発見があったり、議論が盛り上がったりします。わたしも学生のとき最初はそうでした...

 

今回は逆の立場で、質問されたときの回答のしかたについて書きます。とはいっても、言いたいことは一つだけで、

回答する前に、相手がききたいことを100%理解しよう!

です。

そもそも、当たり前ですが、

  1. 相手から質問されたことは回答するべきですし、
  2. 相手から質問されていないことは回答するべきではありません。

普通のことですが、発表の場で緊張していると普通のことでもできないものです。質疑応答において、かみあってないなあ、と感じるときは、だいたい質問されていないことを答えているときです。1. も 2. もできていないわけです。

なのでまず、相手が何をききたいか、を100% 把握する必要があります。例えばこの把握が50%しかできてないとすると、その後にどんなにパーフェクトな情報を提供して回答しても、相手としては50%以上満足することはないわけです。

質問されたときはまず、回答することはいったん忘れて、質問内容を理解することに注力しましょう。やり方としては、研究室のメンバーがとなりにいると仮定して、「あの人の質問って、こういう質問ってことだよね。」 と確認できるかどうか、チェックしましょう。

理解できないとき、理解があやふやなときはどうするか?選択肢は2つです。

  • もう一度質問内容を説明していただけませんか?とか、質問における・・・がわからなかったのですが、説明していただけませんか?とか、相手に確認する
  • 少し考えさしてください、といって頭の中を整理する

ここで時間を使うのは、全く問題ありません。一番よくないのは、質問を理解していないのに回答し始めることです。そうなるくらいなら、時間をとって質問を理解しましょう

ちゃんと相手の質問内容を把握できたら、いよいよ回答です。相手に聞かれたことだけ、正直に回答しましょう。まだ検討していなかったら、検討していないと言えばよいですし、わからなかったら、わからないと言いましょう。回答に必要な資料をプレゼン資料として用意していなかったら、「お答えするための資料が手元に今ないので、このセッションが終わったら伺ってもよいでしょうか?」 とかいってもよいですね。共著者がいたら、その人に助け舟をもとめてもよいですw。

こんな感じで、

  • 相手の質問を理解する
  • 聞かれたことだけ正直に答える

を、分けて回答しましょう。

英語の発表のときはどうするか?

英語での質疑応答は、一気にハードルが上がりますね。英語を聞き取って、英語で話さないといけません。

ただ、やることは日本語の場合とまったく同じです。まずは相手の質問を100%理解しないといけません。なので、

Would you repeat your question again?

とか

Would you explain … in detail?

とかで質問を聞きなおしたり、

You want to ask me …, right?

とかいって相手の質問を確認したりします。

ただ、聞き直してもどうしても聞き取れないことはあると思います (わたしの場合、特にインド人の英語は聞き取りにくい・・・)。そんなときは、

That’s a good question. I don’t have materials to answer your question. So, would you discuss it after this session?

とかいって一旦逃げますw。もちろん、顔を覚えておいて、すべて発表が終わったら話します。一対一で確認しながら話せばなんとかなるものです。できれば避けたい最後の手段ですが、こういう準備をしておくとよいですよ。

ちなみに That’s a good question. には、いい質問ですね~みたな感じではなく、質問が良すぎて回答が難しいです、みたなニュアンスらしいですよ。

 

以上です。

質問やコメントなどありましたら、twitter, facebook, メールなどでご連絡いただけるとうれしいです。

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