第6回日本メディカルAI学会学術集会で研究発表をしてきました!

2024年6月21日(金)・22日(土)に、鶴舞(つるまい)駅の近くの鶴舞(つるま)公園にある、名古屋市公会堂(岡谷鋼機名古屋公会堂)で開催された第6回日本メディカルAI学会学術集会で研究発表をしてまいりました。

聖マリアンナ医科大学の先生と東京慈恵会医科大学の先生との共著で、以下の口頭発表1件です。

 

  • 落合晴希, 小森学, 中澤宝, 金子弘昌, “中耳炎患者の術式を予測する機械学習モデルの構築“

 

学生は堂々と発表していました。セッション終了後はいろいろな方からお声がけいただき、今後につながるお話ができました。

以下が抄録であり、もし興味がございましたら、遠慮なくご連絡くださいませ。

難治性中耳炎の一つである中耳真珠腫はどの年代にも発症しうる疾患であり、その病態は多岐である。治療は鼓室形成術と乳突削開術という手術が第一選択となるが、本術式は多彩な手技の組合せによって成り立っている。加えて、どの術式を選択するかは術者の経験や施設の考え方によって異なっているため標準的な術式が存在しないことが問題とされている。経験豊富な医師でも術式選択は難しく、判断を誤れば術後病的変化を来し再発する場合がある。

そこで機械学習を用いた術式予測に着目し、患者の症状、診断結果、治療履歴などの術前データから術後の鼓膜状態を予測するような機械学習モデルの構築を行った。本研究のモデル構築にはクラス分類手法を用いた。術前データの中には、術後の鼓膜状態を予測するには不要な変数が存在する可能性がある。そのため、特徴量選択手法の一つであるBorutaを用いて、術後の鼓膜状態の予測に重要であると判断された変数を選択した。元の88変数から患者の年齢や病状の進展度合いから術式のパターン等を含む8変数が選択された。選択された変数のみを用いたモデルの正解率は0.900であった。これはすべての変数を用いた正解率である0.848よりも高い値であり、Borutaにより術後のデータ予測に必要な変数が選択されていることが確認できた。

構築した術式予測モデルを用いることで、新たな患者の術前データから術後の鼓膜状態を予測し、最適な術式選択を行うことが可能になる。

今後の展望として、予測モデルの精度を向上させるために、術後の鼓膜状態に影響を及ぼすと考えられる患者の術前データの項目を増加させることを検討している。また、実際には術後病的変化を来す鼓膜の状態であるにもかかわらず、正常な術後の鼓膜状態であると予測される結果の低減を目指す。

 

なお、今回は初めて参加する学術集会であり、様々な発表を拝聴させていただき、勉強させていただきました!

 

学生も他の口頭発表に対して積極的に質問しており、充実した学会参加になったと思います。

 

以上です。

質問やコメントなどありましたら、X, facebook, メールなどでご連絡いただけるとうれしいです。

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