学生の研究に対するモチベーションを上げるために、学生への説明をどのように工夫しているか

「ブログ読んでます!」 「ウェブサイト参考にしています!」 とおっしゃっていただく方々もいらっしゃり、うれしい限りでございます。その中でも、ウェブサイトの記事を読んで、データ解析・機械学習やケモインフォマティクス・マテリアルズインフォマティクス・プロセスインフォマティクスに対するモチベーションが上がった、とおっしゃる方々もいらっしゃいます。

今回は、学生の研究に対するモチベーションを上げるために工夫していることを書きたいと思います。

人のモチベーションは、あくまで その人の問題であり、こちらで管理することはできません。相手のモチベーションを上げたいと考えたときに、百発百中でモチベーションを上げられるわけではないわけです。このことと、事前にある程度の興味があることを大前提として、このブログにおいてだけでなく、日頃から学生とコミュニケーションをとる中でも、研究に対するモチベーションを上げるため、説明に工夫をしています。

具体的に、工夫しているポイントは以下の6つです。

 

  1. わかりやすく説明する
  2. 難しいことを説明する
  3. 面白いことを説明する
  4. みんなやっていることを説明する
  5. 人の役に立つことを説明する
  6. 自分の役に立つことを説明する

 

どれが一番大事というわけではなく、学生の特徴に応じて各ポイントの重要度は変わります。学生に応じて各ポイントの重みを変えながら、説明する感じです。それぞれのポイントを順に説明します。

 

1. わかりやすく説明する

わかりやすく説明するとモチベーションが上がるというのは、一番わかりやすいかもしれません。やはり、わからないことをやるのは、かなりハードルが高いです。研究に関しても、これから行うことを自分の中でしっかりと理解してからでないと、やる気がおきないことは多いです。なので、説明はなるべくわかりやすくします。基本的には学生とコミュニケーションを取りながら、学生がわかったかどうかを確認しながら、説明することが多いです。

 

2. 難しいことを説明する

上のポイントと矛盾するようにもみえますが、難しいこと、できないことに対してモチベーションを上げるタイプの人もいます。ここまでは誰々がこんな感じでできましたが、ここ以降はまだ誰もできていないんですよ、みたいな話をします。

 

3. 面白いことを説明する

面白そうなことは、やる気になります。なので、なるべく面白くなるように工夫しています。ゲーム性を取り入れたり、研究室内でコンペティションをしたりとか、ですね。

 

4. みんなやっていることを説明する

研究でやっていることは基本的に、世界で一グループ (もしくは一人) だけ、なのですが、日本人の特徴かもしれませんが、みんなやっていることをやる傾向のある人もいます。このときには、一般的にやられている話ですよ、とか、この分野でも同じようなことが行われていますよ、とか、やっているのは一人ではなく、みんなやっていることを説明の中にいれます。

 

5. 人の役に立つことを説明する

自分のやることには、なんらかの意味を見出したいものです。自分のやったことが、それだけで終わりになるのではなく、どこかで役に立つと嬉しいわけです。なので、今やっていること・これからやることが、他の人たちにどのように貢献できるのかを説明します。この研究は、この分野のこんな研究に役立ちますよ、とか、こんな企業で使える手法ですよ、といった感じです。

 

6. 自分の役に立つことを説明する

自分のやることに意味を見出すとき、やはり自分のためになることが嬉しいです。研究して何か成果をあげたとき、自分はなにも変わらないのではなく、自分が変わる、自分が成長する、といったことは大事なモチベーションの一つと思います。たとえば、今やっていることを抽象化すると、こういうことで、卒業した後の人生の中で、こんなことに役立ちますよ、とか、就職したあとも、こんなところに役に立つかもしれませんね、といった感じで説明しています。

 

これらのポイントに注意しながら、学生の特徴に応じて各ポイントの重要度を変えて、説明しています。ご参考になれば幸いです。

 

以上です。

質問やコメントなどありましたら、twitter, facebook, メールなどでご連絡いただけるとうれしいです。

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