データ化学工学研究室 (金子研) では、学生が研究成果をあげること、ではなく、研究成果をあげ続ける力を学生が身につけること、すなわち学生の成長を第一に考えています。
研究成果の有無についてはとりあえず考えず、それより学生が力をつけることを第一に考えています (ただし共同研究については研究成果を重視しますし、ある程度力をつけた学生がアサインされます)。とはいえ、結果的には、力をつけた学生が研究成果を上げてくれるため、長期的に見たときには多くの研究成果があったりします。
金子研では毎週、すべての学生に研究の進捗状況を発表してもらっています。発表において、学生がなんらかの壁にぶつかっていることを聞いたときに、アドバイスをするかしないか、コード作成や資料作成などのサポートをするかしないか、迷うことがあります。その壁を乗り越えることが学生の成長につながるとき、壁をこちらで乗り越えてしまうと、学生が成長する機会を奪うことになります。ただ一方で、その壁の前でずっと立ち止まっていると、壁を乗り越えられない状態が続き、やる気をなくしてしまうこともありますし、次の壁 (成長の機会) を奪っているともいえます。その壁の先の次の壁を乗り越えることもまた成長につながるためです。
なので、学生が壁を乗り越えるかどうかよりも、学生がどう乗り越えるかを考え、どこまでアドバイスやサポートをしたほうがよいのかはいつも考えさせられます。このとき、学生が研究成果を出すまでの律速ではなく、学生の成長における律速を考えるようにしています。
研究成果の律速であっても、学生の成長の律速でなければアドバイスやサポートはしませんし、研究成果の律速ではなくても、学生の成長の律速であればアドバイスやサポートするようにはしています。もちろん律速を見極めるのは難しく、いつも注意して見たり考えたりするようにしています。
少し抽象的な話ですが、何かの参考になれば幸いです。
以上です。
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