金属有機構造体のモデル化に成功しました![金子研論文]

金子研の論文が Journal of Chemical Information and Modeling に掲載されましたので、ご紹介します。タイトルは

 

Correlation between the Metal and Organic Components, Structure Property, and Gas-Adsorption Capacity of Metal–Organic Frameworks

 

です。これは 2021 年 12 月現在、修士1年の湯山 春介さんが学部四年生のときに取り組んだ研究の成果です。

金属有機構造体 (Metal Organic Framework, MOF) を対象にして構成要素と結晶構造と物性との間の関係をモデル化しました。構成要素として金属元素や有機化合物の記述子を Xとし、結晶構造として細孔、空隙率、密度 などの結晶構造の特徴量を Y とし、物性として吸着特性を Z とします。そして X と Y の間のモデル Y = f(X) と Y と Z の間のモデル Z = g(Y) を機械学習により構築します。 それぞれのモデル構築のためのデータについて、MOF のデータは CoRE-MOF データベースから、吸着特性のデータは論文から収集しました。吸着特性のデータの一部には分子シミュレーションの結果もあります。X については PymatgenRDKit で計算し、Y については Zeo++ で計算しました。

Y = f(X) と Z = g(Y) それぞれ、良好なモデルを構築できるようになり、金属元素や有機化合物の記述子から結晶構造の特徴量を予測でき、さらに結晶構造の特徴量から吸着特性を予測できるようになりました。吸着特性に関しては、圧力を振ったときの吸着量 MOF ごとに予測できることになります。これら二つのモデルを使うことで、金属元素や有機化合物の記述子から結晶構造の特徴量を予測し、予測された結晶構造の特徴量から吸着特性を予測する流れができます。

興味のある方は、ぜひ論文をご覧いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

以上です。

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