フィルム製造プロセスにおいてプロセス状態を考慮した適応型ソフトセンサーの開発および重要なプロセス変数の特定をしました![日本ゼオン&金子研の共同研究論文]

日本ゼオンと金子研における共同研究の成果の論文が Results in Chemistry に掲載されましたので、ご紹介します。タイトルは

 

Adaptive soft sensor considering process state in film manufacturing process and identification of critical process variables

 

です。これは共同研究として日本ゼオンの方々と一緒に研究した成果であり、修士卒の中山祐生さんと白木優也さんが修士のときに取り組んだ研究の成果です。

光学フィルムはフラットパネルディスプレイ用位相差フィルムやタブレットなどのタッチセンサーの基材など様々な用途があります。フィルム製造プロセスでは、製造プロセスの温度や圧力などをオンラインで測定し制御することで、フィルムの膜厚や光学特性を製品規格内に管理して製造しています。全ての物性が規格内となるフィルムを安定的に製造する必要があるため、規格から外れそうな場合は、アラームを出し該当するプロセス変数を適切に制御することで対応します。

本研究では適応型ソフトセンサーによるフィルム物性予測と、フィルム物性の変動に関与するプロセス変数の重要度による物性制御の鍵となるプロセス変数の特定を行いました。データセットを基準値で分割し、物性予測モデルを構築した結果、分割前よりも高い精度で物性予測を行うことができました。そして、乱数に基づいて作成した擬似的なプロセス変数を加えて重要度計算を行い、真に重要なプロセス変数を特定し、現場のエンジニアの観点から適切なプロセス変数が選択されたことを確認しました。

 

興味のある方は、ぜひ論文をご覧いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

以上です。

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