論文から収集したデータセットに基づいて機械学習によりアンモニアボラン脱水素触媒を設計しました![金子研論文]

金子研の論文が Industrial & Engineering Chemistry Research に掲載されましたので、ご紹介します。タイトルは

 

Design of Ammonia Borane Dehydrogenation Catalysts Using Previous Study Data, Public Data, and Machine Learning

 

です。これは修士卒の杉崎大将さんが修士のときに取り組んだ研究の成果であり、論文から収集したデータセットに基づいて機械学習によりアンモニアボラン脱水素触媒を設計した論文です。

(追記) 表紙絵に選出されました!

近年、水素貯蔵材料としてアンモニアボラン (NH3BH3) が注目されています。この化合物は、水素貯蔵能が非常に高い (19.6 wt% H2)、比較的安定である、水素化ホウ素ナトリウムと比べて水中でも安定である、固体で扱える、合成が容易であるといった点から、水素貯蔵材料として期待されています。これまでの多くの研究により金属触媒存在下において2つの反応により水素を放出することが分かっています。

本研究では2つの反応を対象とし、それぞれの反応において、多くの水素を放出し、かつ既存の触媒を上回る水素生成速度を持つ触媒の設計をおこなうことを目的とします。論文から収集したデータを用いて、機械学習を活用して、触媒・反応基質・溶媒の情報や実験条件を説明変数 x、水素生成量および水素生成速度を目的変数 y として機械学習モデル y = f(x) を構築します。x の表現方法をいくつか提案し、水素生成量および水素生成速度を精度良く予測できるモデルを検討しました。

構築されたモデルに新規触媒・反応基質・溶媒の情報や実験条件を入力し、水素生成量および水素生成速度を予測することで新規触媒を設計します。実際、既存の触媒能を上回る触媒の設計に成功しました。

興味のある方は、ぜひ論文をご覧いただければと思います。

 

以上です。

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