今年も 4 月から金子研 (データ化学工学研究室) のゼミが本格的にスタートしました。学生の成長のため、あれこれ考えながらゼミを行っております。学生の成長ばかりで研究成果のことはいいの??って方は、こちらをご覧ください。
ゼミの内容に関して、まず学生はゼミまでに準備をします。この時期のゼミでは、準備の内容は学部 4 年生と博士課程前期の学生で異なります。
ゼミへ向けた準備
学部 4 年生には、毎週課題論文があります。それを読んで、概要をまとめたり、論文の問題点 (誤字脱字等ではなく内容に関わるもの) をピックアップしたりします。またこちらのプログラミング課題
をできる限り進めます。
ちなみに、今はまだありませんが、もう少し経つと機械学習などの手法の勉強会も始まります。
博士課程前期は、すでに各自の研究をしていますので、研究の進捗状況を発表資料としてまとめます。ただし、少なくとも一報は論文を読んで、発表資料の “背景” や “問題点” に入れることになっています。
1 年生は、基本的に 4 月から (学部 4 年生の研究とは別の) 新たな研究をスタートさせ、研究テーマも自分で探しますので、最初の方は論文読んであれこれ考えることが進捗になりますね。
あとは学部にも修士にも、就職活動している学生がいますので、進捗状況はそれぞれです。
学生の成長のためにゼミでやっていること・考えていること
ゼミでは、一人ひとり準備してきたことを発表してもらって、それに基づいて学生たちと議論したり、新しい話題をこちらで提供して、議論したりしています。学生は、他の各学生の発表に対して、少なくと 1 回は質問することにしています。10 回発表があれば、自分以外の 9 回は質問するということです。さらに、修士の学生は、学部 4 年生一人ひとりの発表に対して、少なくとも 1 つはアドバイスをすることにしています。
やっていることはこんな感じなのですが、準備やゼミを通して、具体的にどんな力を学生に身につけてもらうことを想定して工夫したり評価したりしているか説明します。
ちなみに、力にもいろいろあります。
・調査力
自分の研究に関係する論文を探したり、論文を読みながら、わからなくて知りたいことを調査したりしながら、調査力を身につけてもらっています。
・理解力
論文を読む力や、他の学生が発表する内容を理解する力です。理解できないと踏み込んだ質問もできませんからね。
・問題発見力
読んだ論文における問題点・課題点を見つけながら、問題発見力を身につけてもらっています。
・アイデア力
研究を進める過程で、研究課題を解決する方法を見つけるアイデア力を身につけます。
・仮説設定力
研究方針のアイデアに基づいて、自分のアイデアの有用性を検証するための仮説を設定する力です。
・検証力
設定した仮説を検証する力です。
・考察力
いろいろなデータ解析を自分でした結果や他の人の論文に載っている結果 (インプット) から、自分の頭で考えてアウトプットにする力を身につけてもらっています。
・表現力
自分のやったことを他の学生にわかりやすく伝えたり、質問に答えたりすることで、表現力を身につけます。また毎週、文章として書くことで書く力も身につけます。
・教育力
修士の学生は、学部の学生にアドバイスすることで、相手に教える力を身につけます。
これらのことを考えながら、学生がより力を伸ばすために、わたしもゼミ中にアドバイスしたりちゃちゃを入れたりと、いろいろとしています。
以上です。
質問やコメントなどありましたら、twitter, facebook, メールなどでご連絡いただけるとうれしいです。