データ化学工学研究室 (金子研) における新人教育について、大学や企業の方々から質問されることが増えてきましたので、金子研に配属になった学生が研究テーマに入る前に何をするか示しておきます。
明治大学の応用化学科では、例年 12 月くらいに学部 3 年生が研究室に配属されます。データ解析・機械学習やプログラミングについては基本的に初学者です。配属されてすぐは、3 年生としての講義科目や実験科目が進行していますので、基本的には忘年会や新年会、各種慰労会といった金子研のイベント (というか飲み会) に参加したり、それらのどこかで自己紹介したり、卒業論文・修士論文関係の発表を聴いたりするくらいです。もちろん、早めにスタートを切りたい学生用に、事前課題は最初から示しており、たとえば年末年始といった時間を利用して事前課題を進めている学生もいます。
事前課題のメインは、化学工学会誌の連載にも掲載したテキストです。
ただ、そのテキストに加筆・修正する形で書籍を出版予定であり (現在校正中)、今年度の 2020 年度からは、テキストの代わりにその書籍を実施してもらっています。
1 月下旬には講義科目と実験科目が終わりますので、2 月から事前課題を進めることになり、毎週 3年生ひとりひとり話を聞きながら、進捗状況を確認したり、次のアドバイスをしたりします。ただ、特に就活している学生は他のことで忙しいです。そのため進捗は確認しますが、いつまでに何をする、といったことはありません。
事前課題は、2 月 3 月で終わる学生もいれば、4 月以降も実施している学生もいます。事前課題が終わりますと、こちらのプログラミング課題に移ります。
こちらのプログラミング課題を各自のペースで進めてもらい、事前課題と同様にして週に一度、進捗状況の確認と次のアドバイスをします。
4 月になり本格的にゼミがスタートすると、プログラミング課題と並行して、手法勉強会と論文読解を始めます。
手法勉強会は、担当する手法を一人一つ決め、各自手法の内容を調べて資料としてまとめ、発表します。発表を聴いている人が色々な質問をしますので、それに回答します。学生の数だけ、手法を勉強することになります。基本的に一週間ごとに一つの手法をやります。
論文読解は、一週間ごとに一つの課題論文があり、学生が課題論文を読み込むとともに、論文の概要作成と問題点の列挙をします。問題点についてはゼミで議論します。
早い学生は、4月5月にプログラミング課題が終わります。手法勉強会や論文読解は継続して行いますが、プログラミング課題が終わりますと研究テーマに移りますので、終わりそうになったら話し合いで研究テーマを決めていきます。
他には、研究テーマとは別に、モデルの逆解析の課題を行います。
このようにして金子研では新人教育を行っています。
毎年実施して思うことは、本人が継続して実施することと、毎週の進捗確認が重要です。毎週のゼミでは、特に修士の学生たちから色々なアドバイスがあり、とても重宝しています。
以上です。
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