2021年8月1日現在、金子弘昌 著の3冊の本が出版されています。
金子研オンラインサロンでは、本の内容に関する質問をいただいたり議論が深まったりして嬉しい限りです。修正点などのご指摘もいただき、実際に私の方で修正し、内容的にもアップデートされています。オンラインサロンの方々には感謝申し上げます。
すべての本で、化学・化学工学におけるデータ解析・機械学習を、プログラミング初心者でも実践的に使っていただく活用いただくことを目的にして執筆しました。ただ、それぞれの本の役割も個別にあります。本を読んだり本の内容を実践したりすることで何をしたいかによって、どの本が適しているか説明します。
化学・化学工学の分野でデータ解析や機械学習が具体的にどのように使えるのか知りたい
化学・化学工学においてデータ解析や機械学習の応用先はどのように応用されているか、といったお話は3冊すべての本にありますが、最も具体的に書いているのは「化学のための Pythonによるデータ解析・機械学習入門」です。この本では、第3部すべてにおいて、化学・化学工学データでの実践の仕方として、材料設計、分子設計、医薬品設計、時系列データ解析、ソフトセンサーや異常検出・異常診断のお話があります。材料設計では樹脂材料や超伝導体材料のデータを用いた具体的な例があったり、分子設計には沸点、融点、水溶解度、環境毒性、薬理活性を対象にしたデータ解析の例があったりします。3冊の中で最もデータ解析の例や機械学習の例が多いです。
プログラミングを勉強しながら化学・化学工学でのデータ解析や機械学習を学びたい
この場合は、「Pythonで気軽に化学・化学工学」がよいと思います。他の2冊においても、プログラミング初学者の方でも すぐに本の内容を実行できるようなサンプルプログラム・サンプルデータセットを準備しましたが、プログラミングの説明に関しては、サンプルプログラムを実行できることを目標としていたため、あまり多くはありません。一方で「Pythonで気軽に化学・化学工学」では、プログラミングの説明も丁寧にしています。コードの1行1行、このような意味があります、といった具合に説明がありますので、一つ一つ学びながらプログラムを実行できると思います。
実験計画法について重点的に学びたい
実験計画法について、最も幅広く説明があり、関連する内容のすべてが網羅されているのは、「Pythonで学ぶ実験計画法入門 ベイズ最適化によるデータ解析」です。「Pythonで気軽に化学・化学工学」でも、実験計画法や適応的実験計画法について説明があったり、サンプルプログラムで実行できたりします、ベイズ最適化やその中で使用されるガウス過程回帰まで詳細な説明があるのは「Pythonで学ぶ実験計画法入門 ベイズ最適化によるデータ解析」です。
おわりに
3冊とも、ご自身のデータセットがあれば、それをそれぞれの本にあるサンプルデータセットと同じ形式にすることで、すぐに本の内容と同じデータ解析・機械学習ができるようになります。ぜひ目的に応じて使い分けていただけますと幸いです。
以上です。
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