フィルム製造工程における工程種類を考慮した歪み予測モデルと重要工程変数の特定に成功しました![日本ゼオン&金子研の共同研究論文]

日本ゼオンと金子研における共同研究の成果の論文が Chemometrics and Intelligent Laboratory Systems に掲載されましたので、ご紹介します。タイトルは

 

Distortion prediction model considering process types in film manufacturing process and identification of critical process variables

 

です。これは共同研究として日本ゼオンの方々と一緒に研究した成果であり、2024年度修士卒の川さんが取り組んだ研究の成果です。

光学フィルムは、フラットパネルディスプレイ、タッチセンサーなどのデバイスに用いられています。フィルムは巻き取られ次の工程に送られますが、巻き取り工程で欠陥が発生し、問題を引き起こします。欠陥は出荷後に顧客によって発見されることが多くあります。したがって、プロセス終了時の欠陥に関連する特性を特定することで、欠陥製品の事前検出が可能になるか、または欠陥自体を削減することが期待されます。欠陥の発生要因の一つは、ロール表面におけるフィルムの歪みです。歪みの程度は、巻き取り工程前に設置された変位計で測定されたフィルム表面とセンサー間の瞬時距離と平均距離の差を計算することで決定されます。本研究の目的は、機械学習により、変位計で測定されたフィルムの歪みを引き起こすプロセス条件を特定することです。プロセス条件のセンサーデータと歪み指数との間のモデルを構築し、その関係を特定し、モデルを分析することで歪みを引き起こすプロセスを推定しました。本研究の結果、測定位置の異なる3つの変位計において、歪みの共通原因となるプロセス変数を絞り込むことに成功しました。

興味のある方は、ぜひ論文をご覧いただければと思います。

 

以上です。

質問やコメントなどありましたら、X, facebook, メールなどでご連絡いただけるとうれしいです。

タイトルとURLをコピーしました