炭素材料の熱物性予測モデルを開発し、モデルを用いた製造条件の提案をしました![三菱ケミカル&金子研の共同研究論文]

三菱ケミカルと金子研における共同研究の成果の論文が Analytical Science Advances に掲載されましたので、ご紹介します。タイトルは

 

Development of a Model for Predicting the Thermophysical Properties of Carbon Materials and Proposal of Manufacturing Conditions Using the Model

 

です。これは共同研究として三菱ケミカルの方々と一緒に研究した成果であり、2024 年度修士卒の松原正佳さんが取り組んだ研究の成果です。

電気炉を用いた製鋼方法は鉄鋼業界で注目されており、電気製鋼における電極の充填材として炭素材料であるニードルコークスが使用されています。ニードルコークスの電極充填材としての性能は、原料の成分と製造条件に依存するニードルコークスの品質に大きく影響されます。原料の成分は常に一定ではなく、生産場所や時期によって異なるため、同じ製錬条件下でもニードルコークスの品質は安定しません。そのため、製錬条件の最適化が不可欠です。本研究では、機械学習を用いて製錬条件を最適化するため、過去のデータに基づき、原料成分と製錬条件からニードルコークスの熱物性を予測するモデルを構築しました。対象プラントは動的プロセスとして運転されており、熱物性の分析に対してプロセス変数の測定に時間遅れが存在するため、プロセス変数とその時間遅れを領域的に選択する遺伝的アルゴリズムに基づく手法を開発しました。さらに、過去のデータに基づいてニードルコークスの品質が規格外と判定されたサンプルに対し、プロセス条件のみを変更することで製品規格内へ品質制御することを目的としたモデルの逆解析を実施しました。

興味のある方は、ぜひ論文をご覧いただければと思います。

 

以上です。

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