ベイズ最適化と実験により所望の物性をもつLaFeO3結晶材料の作製に成功しました![我田研&金子研の共同研究論文]

我田研と金子研における共同研究の成果の論文が Industrial & Engineering Chemistry Research に掲載されましたので、ご紹介します。タイトルは

 

Adaptive Design of Experimental Conditions for LaFeO3 Crystals with Experiments and Bayesian Optimization

 

です。これは共同研究として明治大学の我田先生の研究室の方々と一緒に研究した成果であり、2022 年度修士卒の金子大悟さんが修士のときに取り組んだ研究の成果です。

(追記) 表紙絵に選出されました!

本研究では、LaFeO3結晶材料を対象にして、所望の物性を持つ材料をフラックス法で合成するための実験条件を、ベイズ最適化と実験を組み合わせて設計し、実際の材料を作製しました。まず、実験計画法に基づいて最初の実験条件の候補を決定します。その実験条件で LaFeO3結晶材料を合成し、物性を分析します。得られたデータセットを用いて、実験条件を説明変数、物性を目的変数として、ガウス過程回帰モデルを構築し、まだ実験していない実験条件の候補をモデルに入力することで、それぞれ物性を予測するとともに獲得関数を計算します。獲得関数の値の大きい実験条件の候補を選択し、それらに基づいて LaFeO3結晶材料を合成し、物性を分析します。ガウス過程回帰モデルの構築、次の実験条件の提案、実験を繰り返すことで、所望の物性をもつ LaFeO3結晶材料の合成を目指しました。3つのケーススタディを行ったところ、少ない実験回数で小さい結晶子サイズを持つ LaFeO3結晶材料を合成することに成功しました。さらに、生成物のX線回折パターンから LaFeO3由来のピークを除外して不純物の有無を評価する指標を目的変数として追加し、ベイズ最適化で多目的最適化することで、不純物の生成の抑制と結晶子サイズの縮小を同時に達成しました。

興味のある方は、ぜひ論文をご覧いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

以上です。

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