機械学習・転移学習・ベイズ最適化を活用して二酸化炭素還元用金属酸化物を開発しました![積水化学工業&金子研の共同研究論文]

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積水化学工業と金子研における共同研究の成果の論文が ACS Omega に掲載されましたので、ご紹介します。タイトルは

Design and Analysis of Metal Oxides for CO2 Reduction Using Machine Learning, Transfer Learning, and Bayesian Optimization

です。これは共同研究として積水化学工業の方々と一緒に研究した成果であり、2022 年度 M2 の岩間稜さんが M1 のときに取り組んだ研究の成果です。

近年、二酸化炭素を回収して資源化することで、CO2 排出量や原油由来の製品の削減し、資源循環型サイクルを達成することが期待されています。そこで本研究では、reverse water gas shift-chemical looping (RWGS-CL) 反応に着目しました。RWGS-CL は金属酸化物 (MOx) を酸素キャリアとして、2 つの半反応 (H2 + MOx → H2O + MOx-1, CO2 + MOx-1 → CO + MOx) が時間的に分離され進行します。H2O と CO の逆反応 (water gas reaction) が生じないため、高い CO2 転化率を達成できますが、CO2 転化率と H2 転化率ともに高い金属酸化物は開発されていません。本研究では CO2 転化率および H2 転化率がともに目標を達成する金属酸化物を開発しました。

積水化学工業で実験されたデータを用いて、金属酸化物や実験条件からCO2 転化率と H2 転化率を予測するモデルを機械学習により構築しました。金属酸化物の特徴量については、データベースの情報や金属元素の情報から特徴量化する手法を比較検討しています。さらにモデル構築の際には、CO2 転化率や H2 転化率と相関があると考えられている oxygen vacancy formation energy (OVFE) を活用し、転移学習しました。モデル構築手法として 10 通りの手法で比較検討し、CO2 転化率と H2 転化率それぞれで良好なモデルを構築できる手法を使用します。ただし、ベイズ最適化の際はガウス過程回帰を用います。

モデル構築後は、モデルの適用範囲の設定とモデルの逆解析です。金属酸化物における金属元素の候補、金属原子のモル比、実験条件を網羅的に振り、構築されたモデルに入力することで、モデルの適用範囲内で CO2 転化率や H2 転化率が良好な値をもつ候補を選択したり、モデルの適用範囲外でも獲得関数の値が大きい候補を選択したりできるようになります。

興味のある方は、ぜひ論文をご覧いただければと思います。

以上です。

質問やコメントなどありましたら、twitter, facebook, メールなどでご連絡いただけるとうれしいです。

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