研究論文・本・レポートなど、誰か他の人が見るようなものをつくるときの話です。
たとえば大学でレポートを書いたり、研究成果を論文にしたりするとき、書く内容のすべてを、自分で実験したり、自分で発見したり、自分で思いついたりしたわけではないと思います。過去の実験データを使ったり、すでに発見された法則を利用したりしていますよね。論文・本・ウェブサイトなどの文献に書いてある情報を使っているわけです。
そのとき、実験データが載っている文献、法則が書かれている文献を、レポートの中で引用しなければなりません。礼儀というか、マナーというか、決まりごとというか、そんな感じです。誰がいつ(どこで)やったものなのか、はっきりさせるのです。逆に、自分が一生懸命 実験して発見したモノなのに、他の人に 勝手にパクられたら嫌ですよね。過去の科学者の研究成果という土台のうえで、わたしたちは研究できるからこそ、さらなる高みを目指すことができるわけです。そのような科学者たちを尊重する気持ちをもって、文献を引用するわけです。
この記事では、その引用の仕方を解説します。ただ、実は、細かい引用の仕方は、論文でいえば学術雑誌、本でいえば出版社によって異なります。詳細は、論文や本を書くときに、雑誌・出版社ごとに調べてください。とはいっても、引用するときに載せる情報はだいたい同じです。たとえばレポートを書くときなど参考にしてください。
まずは例文です (架空の内容です)。
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・・・(略)・・・。明治大学の法則 [1] によると、今年度の出願者は***名になると推定される。・・・(略)・・・。明治花子らは大学の面積と入学者数との間に相関関係があることを発見した [2]。Taro Ikuta et al. は今年度の相関係数が 0.9 であると報告している [3]。・・・(略)・・・
参考文献
[1] Taro Meiji, Jiro Meiji, Saburo Meiji, “Law of Meiji University”, Journal of Meiji University, 72, 33-4 0, 2016. ***論文の例
[2] 明治花子, 明治桃子, “大学のすべて”, pp. 765-766, 明治大学出版, 2017. ***本の例
[3] http://meijiikuta.ac.jp (accessed October 1, 2017) ***ウェブサイトの例
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論文の引用の仕方
必要な情報は、
- 著者全員
- 論文名
- 論文誌名
- 巻
- ページ番号 (何ページから何ページまでか)
- 出版された年
です。これらは、基本的に対象の論文のウェブサイトに載っています。そこに書かれている情報を使ってください。
本の引用の仕方
必要な情報は、
- 著者全員 (場合によっては、翻訳した人たちも)
- 本のタイトル
- 本の中で、引用した情報が載っていたページ番号 (何ページから何ページまでか)
- 出版社名
- 出版された年
です。これらも、対象の本のウェブサイトに載っているはずです。なお、ページ番号について、論文はその論文自体ののページ番号であるのに対し、本は本文中に記載した情報が書かれているところのページ番号です、注意してください。本はページ数が多いですからね。その中のどこに、引用した情報が書かれているか、ページ番号で指定するわけです。
ウェブサイトの引用の仕方
必要な情報は、
- URL
- いつアクセスできたか
です。ウェブサイトは閉鎖されてしまったり、URLが変わったりすることもありますので、いつアクセスできたかまで書くのがよいです。
以上です。
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