大学教員として研究室を運営する上で第一に考えているのは、
学生の成長
です。こういう話をすると、研究のことはいいの? となるのですが、研究成果のことを考えた場合でも、学生の成長なのです。
研究室ではもちろん研究活動が行われています。金子研究室では、論文を読んだり、問題点を抽出したり、解決のためのアイデアを考えたり、それを実現するためのプログラミングをしたり、結果をチェックしたり、メンバーみんなで議論したり、といった感じです。
研究活動をする中での蓄積が研究成果になります。研究成果は、論文や学会発表という形で公表したり、オンラインサロンでシェアしたりして、社会で研究成果を役立てていただければと考えています。金子研究室での研究活動の積み重ねが研究成果になる、つまり研究活動を積分すると研究成果になるわけです。逆に、研究成果を微分すると研究活動になります。
では、研究活動を微分するとどうなるでしょうか?
研究活動の微分は、研究活動をする人たちの研究スキル (能力・技能)、つまり学生の研究スキル (能力・技能) になります。
研究スキルが高いほど、論文をたくさん読めたり、問題点を的確に捉えられたり、いろいろなアイデアを出せたり、深く議論できたりします。研究スキルの積み重ね (積分) が研究活動になるわけです。
もちろん、学生のスキルの積み重ねだけが研究活動になるわけではありません。たとえば、学生の代わりに教員が手を動かすことで、(学生のスキルがともなわなくても) 研究活動にはなります。その結果、研究成果を増やすことができます。もちろん、教員が学生の代わりに実働することが必要な場面もあるとは思います。ただそれはドーピングみたいなもので、研究活動の継続性はありません。学生の研究のスキルが大事なのです。
そして、研究スキルの微分が、成長です。成長するほどスキルは増えますし、成長の積み重ね (積分) がスキルになります。
まとめると、
- 成長の積み重ねが研究スキル (能力・技能) に、
- 研究スキル (能力・技能) の積み重ねが研究活動に、
- 研究活動の積み重ねが研究成果に
なるわけです。
というわけで、学生が成長するほど研究成果になりますよ、というお話でした。
ちなみに、学生の成長を微分すると、
才能 × 正しい方向の努力
になります。才能はもってうまれたものですので変えようがありませんので、学生の成長のためには、
- 学生ごとに努力の正しい方向性を見極めたり、
- その方向に導いたり、
- 正しい方向の努力ができる環境を用意したり、
といったことが大事であると考えています。
以上です。
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