学生の要旨や論文を、学生と確認・修正する3つの方法

データ化学工学研究室 (金子研) の学生も、学会発表における要旨や論文誌に投稿する学術論文、また研究室内で作成する要旨、卒業論文、修士論文などを作成します。学生が要旨や論文を作成し、学生自身でチェックリストを活用して修正したら、

“自分の力で” 適切な論文・要旨を書けるようになろう!~金子研における学生のための論文・要旨チェックリスト 12項目~
2017年度4月に発足したデータ化学工学研究室 (金子研) ですが、お陰さまをもちまして、学生が2018年3月の学会で発表するまでに至りました。ご協力をいただいた皆さま方に感謝申し上げます。というわけで、学会発表のために事前に提出しなければ...

 

私が内容を確認することになります。確認後、学生が修正して再度私が確認する、といったことを繰り返し、修正することがなくなったら、要旨や論文が完成する、という流れです。

ここで重要こととして、私の目標は、要旨や論文を完成させることではなく、学生が自分の力で要旨や論文を作成する力を付けることです。

研究成果をあげること、ではなく、研究成果をあげ続ける力を身につけること。金子研の方針です
データ化学工学研究室 (金子研) の方針として、学生の成長を一番に考えています。配属になる学生に最初に伝えていることは、金子研で目指していることは、学生が研究成果をあげること、ではなく、学生が研究成果をあげ続ける力をつけることということです...

 

「金子先生に提出すれば、後はイイ感じに修正してくれて完成する」、ではないのです。ただ完成に向けて要旨や論文を修正すればよいなんてことはなく、要旨や論文の作成の仕方や作成する上での注意点なども一緒に学生に伝えたり、論理展開について学生と話し合ったりします。また、なぜ表現を修正したのか、なぜ記載する位置を変更したのか、なぜ一文丸ごと削除したのか、なども、学生に伝える必要があります。

このとき、私が要旨や論文を確認し、修正する方法について、大きく分けて3つありますので紹介します。

 

  1. 学生と対面で一文ずつ読みながら一緒に確認する

基本的に最初は、学生と対面で一文ずつ読みながら一緒に確認します。学生の分と私の分で2部印刷して、学生に最初から一文ずつ音読してもらいながら、気になるところに私がコメントします。修正内容の詳細や理由も含めて話せますし、学生の意図や考えも聞きながら話し合いができます。また今後、要旨や論文を学生が自分で書けるようになるために必要なことも一緒に伝えることができ、教育効果も高いと考えています。

ただ一方で、この方法では学生と私が両方の空いている時間をあらかじめ確保しておく必要があったり、学生が要旨や論文の作成や修正を終えてから対面でチェックするまでタイムラグが生じたりします。そのため、もちろん最初はこの方法から始めますが、何回かやり取りしてある程度修正が進んだあとは、別の方法にすることもあります。

 

  1. (Zoom で) 録画して学生に確認してもらう

学生の作成した要旨や論文の word ファイルを開いた画面を (Zoom で共有して) 映しながら、気になった点をコメントする動画を録画します。これにより、修正案を助言することも、修正した理由を話すこともできますし、追加で学生とって有益な情報も合わせて伝えられます。また、例えば他の引用すべき論文を画面に映して説明するなど、他の資料も使いながら学生に説明できます。さらに、学生としても、対面で一度話されるだけでは聞き逃してしまうことがあるかもしれませんが、動画は繰り返し視聴できますので、聞き逃しを防げます。

動画の録画や視聴であれば、学生と私の予定を合わせる必要がありませんので、私も自分の空き時間に確認して動画撮影でき、学生も自分のペースで視聴や修正を行えます。ただ対面と異なり、学生に確認しながら伝えることができませんので注意が必要です。対面である程度修正した後に、動画で十分と考えるときはこちらの方法にすることが多いです。

 

  1. Word の校閲ツールを使う

Word の校閲ツールで修正することで、どこをどのように修正したかの履歴を残せるとともに、コメント機能によって追加情報を学生に伝えることもできます。学生にとっても、修正履歴を確認しながら反映させ、コメントに基づいて修正するので OK です。ただ、学生に修正履歴を確認してもらうだけであれば効率的ですが、次からも同様の修正を学生自身の手で行えるようになることを考えたとき、伝えられる情報としては不十分と考えています。そのため対面で修正したり動画で伝えたりして、だいぶ完成に近づいてきたときの最終段階として、この方法を用いるようにしています。

ちなみに、私が修正履歴を残して学生に送った後に、学生がその上から修正履歴を残すと、修正履歴の重ね合わせでゴチャゴチャになってしまいます。そのため学生には、まず私の修正した原稿の修正履歴を確認しながら全て反映させた後に、学生自身の修正を履歴として残すようお願いしています。コメントについては残したままにしてもらうことが多いです。

 

以上のような三つの方法を、状況によって使い分けながら、学生の要旨や論文をチェックしています。ちなみに、パワポの発表資料の確認や修正も同様です。

学生の中にも、文章を書くのが得意な学生もいれば、苦手な学生もいますので、一筋縄ではいかないこともありますが、辛抱強くやり取りすることが重要かと思います。ご参考になれば幸いです。

 

以上です。

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