研究成果をあげること、ではなく、研究成果をあげ続ける力を身につけること。金子研の方針です

データ化学工学研究室 (金子研) の方針として、学生の成長を一番に考えています。

4, 5, 6 月ころゼミで学生の成長のためにやっていること・考えていること
今年も 4 月から金子研 (データ化学工学研究室) のゼミが本格的にスタートしました。学生の成長のため、あれこれ考えながらゼミを行っております。学生の成長ばかりで研究成果のことはいいの??って方は、こちらをご覧ください。ゼミの内容に関して、...
金子研の学生が圧倒的に成長する3つの理由
データ化学工学研究室 (金子研究室) では、学生の成長を最優先に考えています。(その結果、研究成果にもつながるのは上に書いたとおりです。)いろいろな視点で学生のことを見ていますが、実際に成長しています。ここではその理由について考えます。まず...
研究活動の微分と積分~学生の成長を最優先に考える~
大学教員として研究室を運営する上で第一に考えているのは、学生の成長です。こういう話をすると、研究のことはいいの? となるのですが、研究成果のことを考えた場合でも、学生の成長なのです。研究室ではもちろん研究活動が行われています。金子研究室では...

 

配属になる学生に最初に伝えていることは、金子研で目指していることは、

学生が研究成果をあげること、ではなく、学生が研究成果をあげ続ける力をつけること

ということです。日本語的には微妙な違いですが、本質的には重要な違いです。

ただ研究成果をあげることでしたら (もちろん研究成果をあげること自体も非常に難しいですが)、たとえばラッキーパンチで研究成果が出るようなことも、なくはないです。ただ、それは学生にとってどれだけ意味があるでしょうか。一つの研究成果だけで一生安泰、となるのも難しいです。

研究に限らず、継続して成果を上げ続ける必要があります。そのためには、成果を上げ続ける力を身につけるということが大事です。ラッキーパンチで成果をあげたとしても、成果を上げる力がついていないと、毎回ラッキーパンチに頼らないといけない人になってしまいます。

そのため、一見 遠回りと思われるようなことも行っているわけです。

プログラミングを始めるときに入門書を使うべきか、使わないべきか
「プログラミングをはじめたいのですが、入門書はどれがよいですか?」「学生が使っているプログラミングの入門書はどれですか?」といった質問をよくいただきます。実は、金子研でオススメのプログラミング入門書があるわけではなく、学生に入門書を使うよう...

 

もちろん研究に限らず、たとえば課題解決ではなく課題解決力を身につけてもらうのは、こちらに書いた通りです。

課題解決ではなく、課題解決力
明治大学応用化学科では、基本的に 4 年生から研究室に配属されます。3 年生までは定期試験やレポートなどで、いろいろな問題の正解を求めるトレーニングをしてきますが、研究室配属後の研究はそうではありません。正解がわかっていない、というよりは正...

 

他のことでも、目的を、学生が何かをすることではなく、学生がそれをする力を身につけることとして、教育をしています。たとえば、学生が要旨の作文をするときや、論文を作成するときも、学生が要旨や論文を完成させることをゴールにするのではなく、学生が要旨や論文を完成させる力を身につけることをゴールにしています。学生がパワーポイントのスライドを作るときも、分かりやすく素敵なスライドができたことをゴールにするのではなく、そのようなスライドを作ることのできる力を身につけることをゴールにしています。

学生が身につけた力の度合いを指標にするわけですね。なので、学生が力を身につけたかどうかを検証することも大事にしています。いくら素晴らしい要旨・論文・スライドが完成したとしても、次も素晴らしい要旨・論文・スライドを作れる力が身についていなかったら、意味がないわけです。

 

このような研究室の方針のもとで、1 年間もしくは 3 年間過ごし、それぞれ成長した学生たちが、卒業の時期をむかえています。卒業式は中止になってしまいましたが、快く門出を見送りたいと思います。

 

以上です。

質問やコメントなどありましたら、twitter, facebook, メールなどでご連絡いただけるとうれしいです。

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