金子研で人を雇うときの観点

もし金子研究室で人を雇うとしたら、どのような観点で人を選ぶか、のお話をします。就活でどのような人が求められるかの参考にしていただけたらと思います。もちろん、100 の企業があれば 100 以上の考え方がありますので、その中の一つくらいにお考えください。うまく抽象化してから、自分ごとに落とし込むとよいと思います。

まず大前提として、金子研ではデータ解析や機械学習を武器にして、化学や化学工学の研究をしています。金子研で人を雇うとしたら、基本的にはそのようなデータ解析・機械学習・化学・化学工学の分野のスペシャリストを探します。端的に言えば、そのような分野の博士号をもっている人です。また、金子研で人を雇うことの目的は、基本的に研究を前に進めることです。もちろん研究費を取ることも目指しますが、方向性としては同じです。一方で、企業が人を雇うことの目的は、基本的に利益を上げることです。雇う人の年収 (+労災保険・雇用保険・厚生年金・健康保険・・・) 以上に稼げるのか、を気にするのです。以上のことから、就職活動をしている修士の学生を雇おうとする企業の方々とは、観点が少し違うと思います。そのあたりはその都度補足しながら、話を続けます。

金子研のベースである化学・化学工学・データ解析・機械学習の、すべてのスペシャリストである必要はありません。もちろん、それぞれにまったく触れてこなかった人はさすがに厳しいですが、学部時代もしくは大学院時代に、ある程度勉強していて、本質のところを捉えられていたら、問題ないと考えています。それよりも大事にしているのは、(何らかの)専門性柔軟性相性です。順番に説明します。

 

1. 専門性

専門性における、どのような研究をしてきたかについては、金子研の研究との近さではなく、金子研の研究との組み合わせでどう発展できるか、どう新たな分野を開拓できるかが大事です。もう一つ大事なことは、その専門性をつちかうまでに、どのような試行錯誤をして、どのように成長をしてきたか、です。もちろん金子研で行う研究を、元々の専門性を活かせるようにアレンジしたいと考えていますが、やはり完璧に合わせることは難しいです。なので、元々の専門性とは少し異なる分野の研究を行うこともあり、そのときに、どのような試行錯誤をして、どのように成長するだろうか、が気になるのです。

修士の学生を雇う場合は、専門性としてこれまでの研究内容自体は、それほど重視していないと思います。なぜなら、実際に企業に入ったあとに、修士の研究とまったく同じ内容の研究を続けることは非常に珍しいからです。では、面接などで専門性を聞くときに何を知りたいか考えると、自分の専門性を素人にも丁寧にわかりやすく説明できるか、自分の研究内容の本質のところを理解しているか、その専門性を身につけるまでにどのような試行錯誤をしたか、どのように成長したか、ということだと思います。

 

2. 柔軟性

やはり、一部の天才をのぞいては、生涯に渡って 1 つの分野だけ研究する、というのはなかなか難しいです。いろいろな分野を転々としながら、いわゆる専門性、自分なりのオリジナリティを身につけるものだと思います。実際、これまで行ってきた研究と、金子研で行う研究とで、方向性も内容も異なるところがあるはずですので、柔軟に対応できるか気になります。なので、これまでどれだけ柔軟に対応できたかを見ます。

修士の学生を雇う場合も、このような柔軟性は気になると思います。修士までにやってきた研究と、企業で行う仕事が異なるのはもちろんのこと、企業のなかで仕事の内容が変わることもしばしばです。このとき柔軟に対応することが大事になります。

 

3. 相性

研究室でも企業でも、雇うのも雇われるのも人ですので、人同士で合う・合わないはあると思います。できるだけ合う人と一緒に研究・仕事をやりたいと思うのは当然ですね。金子研でも、元気のある人がよいです。

面接などででどれだけ相性がわかるか不明ですが、企業でも気にすると思います。

 

以上のように三つの観点で説明しましたが、基本的には、金子研にどれだけ貢献できるか、を考えます。企業でも同じだと思います。企業の場合は、人の数も多く、長期で働くことも多いこともあり、他にもいろいろな観点があると思いますし、応募する人も多いですので採用活動における各段階で観るところも異なると思いますが、就職活動における面接のときなど、ご参考になれば幸いです。

 

以上です。

質問やコメントなどありましたら、twitter, facebook, メールなどでご連絡いただけるとうれしいです。

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