NMRにおけるスカラーカップリング定数を予測するための記述子を開発しました![金子研論文]

金子研の論文が Analytical Science Advances に掲載されましたので、ご紹介します。タイトルは

 

Prediction of spin–spin coupling constants with machine learning in NMR

 

です。これは学部卒の柴田海那さんが四年生のときに取り組んだ研究の成果です。

Nuclear Magnetic Resonance (NMR) におけるスカラーカップリング定数を予測するための記述子を開発した論文です。NMR 分光法は化合物の化学構造を分析するための重要な手法の1つです。本研究では、NMR の情報の中で、スカラーカップリング定数を機械学習により予測することを目的としています。対象の原子ペアやその原子ペアが存在する分子から、スカラーカップリング定数を予測するための記述子を提案し、それらの記述子と分子記述子とを合わせ、スカラーカップリング定数との間で回帰モデルを構築しました。回帰分析手法としては LightGBM を用いています。実際のデータセットを用いて回帰モデルを構築し、構築した回帰モデルの予測精度を検証したところ、NMR における化学シフトを予測していたときの従来の記述子と比較して、提案した記述子により良好にスカラーカップリング定数を予測できることを確認しました。このスカラーカップリング定数予測モデルを用いることで、化学構造から予測されたスカラーカップリング定数を新たな記述子として、QSAR や QSPR に使用することが可能になります。

興味のある方は、ぜひ論文をご覧いただければと思います。Open Access でありどなたでもご覧いただけます。

 

以上です。

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