Datachemical LAB にどんな価値があるか

化学・化学工学分野におけるデータ解析・機械学習クラウドサービス「Datachemical LAB」の価値についてです。なお、無料トライアルを終えたほぼ全員が Datachemical LAB を即決していただき、そうでなくても、次の年度初めからなど “予約” をしていただいているようで、とても嬉しく存じます。皆様どうもありがとうございます。

https://www.datachemicallab.com/

 

Datachemical LAB の料金はここでは申しあげられませんので、ご興味ある方は、ぜひ上の URL 先からお問い合わせいただければと思いますが、Datachemical LAB を購入する立場の人からすると、その人が料金以上の価値を Datachemical LAB に見出さなければ (もしくはそれを上司に説明してOKされなければ)、購入しません。もちろん、購入するモノに料金以上の価値があることは必要条件であり、事情により購入できないこともありますが、私は Datachemical LAB を提供する立場として、この価値をいつも意識しています。

モノの価値というのは面白いもので、例えば同じエタノールでも、それが薬品なのか消毒液なのかによって、価値は大きく変わり、それによって価格も変わります。化学者にとってのエタノールの価値と、一般の人のエタノールの価値というのは異なります。同じモノでも、人によって価値は異なるわけです。また、同じカップラーメンでも、(平地の) コンビニにあるのか、富士山の山小屋にあるのかによって、価値は大きく変わります。同じモノ、同じ人でも、周りの環境によって価値は異なるわけです。富士山のカップラーメンは平地と比べて値段が高いですが、それに値段以上の価値を見出して購入する人がいます。

では、Datachemical LAB には、具体的にどのような価値があるのでしょうか。もちろん人や環境によって、Datachemical LAB の価値は変わると思います。その辺りをふまえて整理しておきます。

データ解析・機械学習が効率的にできる価値

いろいろな所で紹介させていただいている通り、Datachemical LAB を使用することで、データの前処理・データの可視化・回帰分析・モデルの逆解析・モデルの適用範囲・化学構造生成・(適応的)実験計画法・能動学習・ベイズ最適化などの、データ解析・機械学習が可能になります。

化学・化学工学分野におけるデータ解析・機械学習クラウドサービス「Datachemical LAB」
化学・化学工学分野におけるデータ解析・機械学習が、プログラミングなしでできるクラウドサービス「Datachemical LAB」を開発し、提供を開始しましたので、ご案内します。プレスリリースは以下をご覧ください。 Datachemical ...

 

一方で、例えば Python, R, MATLAB などで、すでにご自身でデータ解析・機械学習ができる方にとっては、データの前処理・データの可視化・回帰分析・モデルの逆解析・モデルの適用範囲・化学構造生成・(適応的)実験計画法・能動学習・ベイズ最適化などのできる内容だけ、この価値は小さくなります。

ただ、Datachemical LAB ではコードを書く必要がないので、データセットの形式によって Python, R, MATLAB などのコードを書き換えたり、追記したりする時間を 0 にできます。データ解析・機械学習ができる価値だけでなく、効率的にできる価値もあります。

 

プログラミングの取得コストを 0 にする価値

データ解析・機械学習を行うときは、基本的に Python で進める人が多いと思います。初学者にとっては、まず Python を学び身につける必要があり、そのためにある程度の時間がかかります。Datachemical LAB ではプログラミングはまったく必要ありません。もちろんエクセルなどでデータを整理する必要はありますが、一般的な Excel の作業だけであり、マクロや VBA はまったく使いませんし、ましてや for 文とか if 文とかが出てくることはありません。Python を学ぶ必要がなくなり、その学習に割く時間を、他の時間に使えます。その時間を生み出す価値があります。

もちろん、Python をすでに自由自在に使いこなせる人にとっては、この価値はありませんし、社内などで Python のことをなんでも教えてくれる人が身近にいる場合には、この価値は小さくなります。

 

化学・化学工学データを効果的に活用し、その技術・経験を習得する価値

データ解析・機械学習ができるようになっても、化学・化学工学データを適切にデータ解析・機械学習しなければ、まったく意味がありません。間違ったデータ解析・機械学習をしてしまうと、誤った結論を導いてしまいます。

Datachemical LAB は、単にデータ解析・機械学習が 「できる」、やれるかやれないかは人次第、というわけではありません。Datachemical LAB や、説明書・解説動画・練習問題などには、化学・化学工学データを適切に扱ったり、予測精度の高いモデルを構築したり、モデルを逆解析することで物性や活性の目標値を達成する合成条件・製造条件を提案したりする手法・手順・操作方法が含まれています。すべて私、金子がかかわって準備されたものです。

もちろん操作は利用者自身が行いますが、その操作方法についても効果的な方法が付属しているため、「ソフトを起動できたけど、さて、これから何をしようか、、、」 といったことは起こりません。Datachemical LAB が、データ解析・機械学習を半自動的に行ってくれるイメージです。そして、Datachemical LAB の利用を通して、化学・化学工学データを活用する技術・経験を習得できます。

一方で、化学・化学工学データの扱いに慣れていて、自分でモデルの予測精度を向上できたり、モデルを活用して次の合成条件・製造条件を提案できたりする人にとっては、この価値は小さくなります。

 

Datachemical LAB を通したサポートの価値

上で、Datachemical LAB でデータ解析・機械学習を半自動的に行える、とは書きましたが、自分なりに正しいと思って操作した結果、想定外のことが起きるかもしれません。自分の出力した結果は合っているのか?、結果から得られる自分の考えや今後の方針が合っているのか?、不安に感じることもあると思います。特に、データ解析・機械学習や化学・化学工学データの扱いについて気軽に質問できる人が、同じ部署などの近くにいないと、困ってしまいます。そんなとき、Datachemical LAB には専門家から気軽にサポートできる体制があります。

ただ、Datachemical LAB の扱い方やデータ解析・機械学習や化学・化学工学データの扱いについて質問することはありません!、という方にとってはこの価値は小さくなります。

 

共同研究の代わりとしての価値

実は、私が Datachemical LAB を開発した理由の一つとして、私の代わりに共同研究をしてくれるものを作りたい、という思いがありました。といいますのも、私の時間も限られておりますので、共同研究の申込みをしていただいても、金子研の知見・技術は活用できそうですが研究の余地が限られているものについては、お断りしてしまうことがありました。もちろん、レベルや難易度にもよりますが、金子研での研究という意味では余地がなくても、金子研の知見・技術は活用できそうな内容であれば、Datachemical LAB ソフトウェアを利用することで共同研究の目的を達成できるように開発しましたし、それが可能な機能を搭載しました (これからも追加します)。

Datachemical LAB は、見た目は一つのソフトウェア・ウェブサービスですが、化学・化学工学データを効果的に活用する技術・経験の価値やサポートの価値とも関連し、価値としては共同研究に近いものになります。計算ソフトとしては高いが、共同研究としては安い、と考える方もいらっしゃると思います。

 

計算機サーバとしての価値

Datachemical LAB は、何かをパソコンにインストールする必要はまったくありません。Chrome, Safari, Edge, Firefox などのウェブブラウザ上で動くウェブサービスなので、別途高性能マシンを購入する必要はありません。どんなマシンでもインターネット環境があれば、パソコンのスペックによらず、ノートパソコンでもデスクトップマシンでも変わらない速度でDatachemical LAB の計算ができます。

 

Datachemical LAB の価値を整理いたしました。以上の価値の総和として、Datachemical LAB の確認をしていただければと思いますし、格安感を見出していただければ幸いです。もちろん最初に述べたように、人によっても周りの環境によっても皆さんの感じる Datachemical LAB の価値は変わると思います。この辺りは今後の課題として引き続き考えていきたいと思います。

 

以上です。

質問やコメントなどありましたら、twitter, facebook, メールなどでご連絡いただけるとうれしいです。

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