論文の緒言・手法・結果と考察・結言に何を書けばよいのか?

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金子研ではこの季節になり、学生たちが研究要旨を作成したり、私が内容を添削したりしています。

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金子研のように分子設計・材料設計・プロセス設計・プロセス管理や制御関係の研究をしていると、研究成果には、基本的にそれらの設計・管理を行うための手法になります。学会発表をするときや学術論文を書くときは、研究成果である手法に主眼をおいて内容を書きます。例えば論文は、基本的に以下のような構成です。

  1. 緒言 (Introduction)
  2. 手法 (Method)
  3. 結果と考察 (Results and Discussion)
  4. 結言 (Conclusions)

たとえば、手法に書くべき内容なのか、結果と考察に書くべき内容なのか、迷ったことはありませんでしょうか。今回は、それぞれの章でどのような内容を書くとよいのかお話ししていきます。

1. 緒言 (Introduction)

以前にこちらに詳しく書きましたが、

緒言って何??何を書けばいいの??背景とか はじめに とか要旨とかとは違うの!?
論文や雑誌を読んでいると、緒言 (Introduction, イントロダクション) の章がありますよね。読むときはあまり意識しないかも知れま...

緒言で大事なことは、自分たちの行った研究の成果が、学術界や社会において重要なのです!必要なのです!インパクトが大きいのです!とアピールすることです。そのため、研究背景から研究目的・方針といったことを論理的に記述します。詳しくは上の URL のサイトをご覧ください。

2. 手法 (Method)

章の名前は「2. 手法 (Method)」ですが、内容的には提案手法のことです。この章では、他の研究者が論文について参考になると思ったときに、そのままこの提案手法をご利用ください、といった内容を書きます。そのため、まったく同じことができるくらい (再現できるくらい) 詳細に書く必要があります。逆に、手法を実行する方がそのまま利用する必要はなく、他を選んでもよい内容は、「2. 手法 (Method)」には書かず、「3. 結果と考察 (Results and Discussion)」に書きます。たとえば、新たな変数選択手法を開発したときに、論文の結果と考察においてその変数選択手法の有効性を確認しますが、そこで回帰分析やクラス分類の性能が向上したかどうかを検証する場合に、もちろん回帰分析手法やクラス分類手法は「手法」ですが、他の方が変数選択したあとは、別に今回論文で使用した回帰分析手法やクラス分類手法でなくてもよいですので、「3. 結果と考察 (Results and Discussion)」に書く、といった感じです。「2. 手法 (Method)」では、他の方がそのまま利用する内容について記載しましょう。

3. 結果と考察 (Results and Discussion)

ここでは、「2. 手法 (Method)」で書いた提案手法の検証を行った内容を書きます。提案手法だけでなく、比較に用いた手法もあると思いますし、検証のために使用した手法もあると思います。それらの手法についても、こちらに書きます。

「1. 緒言」で設定した研究目的を達成したかどうかを検証する方法やその結果、そして結果に対する考察を記載しましょう。

4. 結言 (Conclusions)

以上の内容を踏まえた、この論文での結論です。研究目的と対応させるように書きましょう。また、提案手法の課題や scope and limitation、そして今後の展望も書くとよいでしょう。

以上です。

質問やコメントなどありましたら、twitter, facebook, メールなどでご連絡いただけるとうれしいです。

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