プロセスの動特性を考慮した異常検出と異常診断を達成するディープニューラルネットワークを開発しました![金子研論文]

金子研の論文が ACS Omega に掲載されましたので、ご紹介します。タイトルは

 

Deep Convolutional Neural Network with Deconvolution and a Deep Autoencoder for Fault Detection and Diagnosis

 

です。これは修士卒の菅野 泰弘さんが修士のときに取り組んだ研究の成果です。

産業プラント・化学プラントにおける事故を未然に防いだり、適切に装置のメンテナンスをしたりするためには、早期かつ正確にプロセス異常を検出し、検出した後に異常原因を特定することが重要です。

異常検出・異常検知の4つの役割
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実際、主成分分析 (Principal Component Analysis, PCA) に基づく T2統計量・Q統計量や、k近傍法 (k-Nearest Neighbor, k-NN) や、Local Outlier Factor (LOF) や、One-Class Support Vector Machine (OCSVM) といった手法により、正常なプロセス状態において測定されたデータセットから、そのデータ領域を設定することで、設定されたデータ領域を、新たに測定されたサンプルが超えたときに異常と検出できます。

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プロセスでは様々な現象が起こり、プロセス状態は時々刻々と変化すること、そしてプロセスデータは膨大に存在することから、本研究ではディープニューラルネットワークに着目しました。またプロセスデータの特徴としてプロセスの動特性があり、これを考慮しないと適切に異常検出および異常診断をすることができません。もちろんプロセスの動特性だけでなく、プロセス変数間に非線形性のあるデータも存在します。

そこで、プロセスの動特性およびプロセス変数間の非線形性を考慮した異常検出手法 Deep convolutional neural network with Deconvolution and Deep auto encoder (DDD) を提案しました。DDD では deep auto encoder によって低次元化された (encode された) 潜在変数空間と、潜在変数から元の次元に戻した (decodeされた) データとオリジナルのデータの間の誤差によって異常検出を行います。さらに、異常が検出されたあとは、構築されたネットワークに対してgradient-weighted class activation mapping (Grad-CAM) を応用することで、各プロセス変数の異常への寄与の大きさを計算できます。

Tennessee Eastman process のデータセットを用いて提案手法である DDD の検証をしたところ、従来手法と比較して正確に異常を検出できることや、的確に異常に関与するプロセス変数を診断できることを確認しました。

興味のある方は、ぜひ論文をご覧いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

以上です。

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