仕組みで解決する、人が解決する

マクドナルドでハンバーガーを注文すると、どこの店舗でも、どの店員でも同じようにオペレーションされ、支払いやハンバーガーの受け取りをすることができます。一方で、(毎年出るのではなく) 新しいハンバーガーの開発は、限られた人の中で行われています。すかいらーくグループのレストランに行くと、注文した食事をネコ型ロボットが配膳してくれます。ただアレルギーのあるお客さんの食事は、人が対応する必要があります。

飲食店をはじめとして、多くの問題・課題を仕組みで解決しようとしています。人でしかできないことは人がやる一方で、仕組みで解決できることは、すべて仕組みに任せよう、といった感じです。

研究は人がやるものですが、すべてのことを人がやる必要はありません。なるべく仕組みで解決することで、人が集中する必要のあることを減らすことができます。数少ないことに人がすることで、効果的に研究を進めることができます。

例えばデータ解析や機械学習に関連する研究では、

 

  • データセットに存在する欠損値や外れ値を処理する
  • データセットを低次元化して二次元平面で可視化する
  • 様々な回帰分析手法やクラス分類手法を用いて、それぞれの手法で構築された数理モデルの予測精度を評価する
  • 構築されたモデルの重要度を計算する
  • 数理モデルを構築し、新たなサンプルを予測する
  • 予測結果が良好な順にサンプルを並び替える
  • 実験条件・合成条件・評価条件・プロセス条件などの仮想的なサンプルを生成する
  • 大量の (仮想的な) サンプルの中から、最初に実験するサンプルを選択する
  • 仮想的な化学構造を生成する
  • 特徴量に対して様々な非線形変換をする

 

といったことは、わざわざ人がやる必要はなく、仕組みで解決する方がよいです。Python で仕組みを作る人もいますし、Datachemical LAB には仕組みがあり、プログラミングなしに実行できます。

https://www.datachemicallab.com/

 

以上のことを仕組み化することで、人は、それら以外のことに自分の時間を使うことができ、多くの時間を人にしかできない研究に割くことができます。

今回はデータ解析・機械学習の例を用いて仕組み化のお話をしましたが、仕組みといっても、すべてプログラミングやロボットで行うわけではありません。人が頭を使わずにできるようにすることも、仕組み化の一つといえます。他の分野の研究でも、仕組みで解決できることは仕組みで解決した方がよいです。可能な限り仕組みで解決することで、人の頭をなるべく効果的に発揮できます。ぜひ仕組み化の検討してみるとよいでしょう。

 

以上です。

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